お茶をたっぷり淹れても注ぎやすい、福田るいさんのポット
~in-kyo(インキョ)より vol.26~
この春、東京から福島へ移転をし、早いものでもうすぐ半年が経つ。あたり前のことだけれど、暮らし方が変われば今まで通りとはいかないことも多い。良いこともあるし、悪いこともある。笑ったり泣いたり怒ったりと毎日の生活は悲喜こもごもだ。それでもいろんなことをひっくるめ、とにかくおもしろがる。その方がきっと人生は鮮やかなものになるんじゃないかと思っている。
器や食材も、今までは一人分で良かったものが二人分に。料理を作る量も違うのだから、調理道具をはじめ、使いやすい器の大きさや数も違ってくる。これがまた友人たちがやって来て、4〜5人と人が増えればそれはそれでまた変わっていく。外食をする機会もめっきり減って、家での毎晩の食事のことを考える比重が大きくなった。
日々の晩ごはんはご飯にお味噌汁、おかずが何品かという日が多く、出番の多い器の顔ぶれも一人暮らしの頃とは変わってきた。器はもともと私が持っていたものを、そのまま運び込んだものがほとんどだから、その変化に夫は気づいていない。話すほどのことでもないのだけれど、これは私のささやかな発見なのだ。
福田るいさんのポットは、今までは3人以上の人が集まるときに使っていた大きめのポットだ。目一杯お湯を注げば1リットル弱のお茶をいれることができる。そのままでは重くて使いづらくなりそうなところを、指を添える部分があるのと、持ち手の部分にも親指がすべらずしっかりとまるという気配りがされているお陰で、重さも苦にならない。
二人分にしては大きめなのだけれど、ますは番茶を二つの湯のみに注ぐ。残った分は、梅干しをひと粒入れた保温ポットの中へ注いで、お弁当と一緒にお店へ持参している。これも取るに足らない小さな変化。
日々の暮らしの中で、月日をともに積み重ねたくなるような器や生活雑貨が並ぶ店。日常着や、おいしいもののセレクトも人気。「今日のひとしな」のコラム執筆は、店主の長谷川ちえさん。
福島県田村郡三春町9
TEL:0247-61-6650
10:00~17:00 水曜・木曜定休
http://in-kyo.net
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