【Day5】今、おすすめしたい「台屋」の鰹節削り器

5日間特集・今おススメの台所道具
2021.07.23

“家ごはん”が増えた今、おすすめの台所道具をご紹介する特集、5日目。ガイド役は、創業334年、暮らしの道具の老舗・静岡市「三保原屋本店」九代目当主の堀 高輔さんです。

 

Day5 鰹節削り器

編集部:この特集も、いよいよ最終回。最後にご紹介するアイテムは、堀さんのイチ押しアイテム、鰹節削り器です。

堀さん(以下、堀):打ち合わせのとき、「これは一般的ですか?」と、編集部から疑問を投げかけられたのですが(笑)、店頭でイベントをすると、かなり盛り上がるんですよ。

編集部:いや~、私が子どものころは辛うじて使っていましたが、今はパック詰めの「鰹節削り」を使うご家庭のほうが多いのではないですか?

堀:確かに昔のように“一家に一台”の時代ではないでしょうね。ただ、削りたての美味しさを知ると、逆に今、新鮮に感じられると思いますよ。

 

出汁をとるだけでなく
もっと気軽に食卓に

堀:ハードルが高く感じるのは、鰹節削り器が“出汁をとるための道具”だと思っているからではないですか? 

編集部:そうなんです。削って、出汁を引いて、さらにそこから調理、と考えるとちょっと面倒で……。

堀:出汁にこだわらなくても、削りたての鰹節は“かけるだけ”で美味しい調味料ですよ。例えば、こちら。わが家の休日の朝の定番“おかかご飯”です。

編集部:わ~、生ハムのような色! それに香り! これだけたっぷりかけると、贅沢な気分になりますね。

堀:4歳の娘は、これが大好きで、鰹節だけでご飯をお代わりするくらいです。ご飯だけでなく、お浸し、サラダ、冷ややっこ、和え物……と活躍の場は広いですよ。かけるだけ、和えるだけのシンプルな料理こそ、“削りたて”が威力を発揮します。

 

今の暮らしにフィットする
「台屋」の鰹節削り器

堀:そこでご紹介したいのが、食卓に置いても邪魔にならないコンパクトな削り器(写真右)です。左に置いた従来の引き出し型に比べると、かなり小ぶりでしょ?

編集部:木の収納ケースみたいですね。ツルリとしていて可愛い!

堀:箱の中に鉋(かんな)が入っています。蓋をはずして鉋台に鰹節を滑らせると、下の箱に削り節が集まる仕組みです。早速、削ってみます。


カッ、カッと小気味よい音で削っていく。


鉋台を外すと……箱の中に削りたての削り節が!


編集部:
わ~、サラふわですね。今ので30秒くらい削った感じでしょうか?

堀:そうですね。初めは“恐る恐る”なので時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまえば1分も削ると、相当量の削り節ができますよ。

 

値段の違いは「刃」の違い


(左)鉋台に取り付けられた刃。(中央)刃の裏側。ここを叩いて刃の調整をする。(右)力を入れて削っても箱が動かないように、下面には滑り止めが付いている。

 

堀:鰹節削り器の価格は「刃」で決まることが多いです。刃の厚みを見ていただくと、良し悪しがわかります。安いものだと5000円以下の削り器もありますが、刃がステーキナイフより少し厚いくらいのことが多いです。それでは研ぎ直しは難しいですね。もし、家に昔使っていた削り器が残っていたら、きっと昔ながらのいい刃物を使っているはずなので、研ぎ屋さんに出すなど、お手入れをして大切になさってください。

編集部:うちの実家の削り器は、どこにいったかな? 探してみます!

堀:刃といえば、従来は使う人が削り節の薄さを見ながら自分で刃の調整をする必要があったんです。「台屋」さんは“試し削り”をしてから出荷してくれるので、買ったらすぐに使えるのも嬉しいポイントです。

 

意外とお値ごろな鰹節

編集部:あのー(ちょっと言いにくい)、もうひとつ気になるのがコストパフォーマンスです。鰹節って高級なイメージがあって、日常に使うにはお高いのではないでしょうか?

堀:静岡は鰹節の産地・焼津がありますから、他と比べると手に入りやすい環境かもしれませんね。でも、削る前の“鰹節”は、元々保存食ですから、真空状態であれば1~3年は持ちます。開封した場合は、数か月で食べていただければと思います。
開封直後から、みるみる風味が落ちてしまうパックの削り節に比べると、トータルで考えれば意外とお値ごろですよ。

編集部:それを聞いて、ちょっと安心しました。賞味期限が長いのもいいですね。実はパックの商品を買う度にゴミが出るのが気になっていたんです。


開封した鰹節は、密閉袋に入れて冷蔵庫へ。乾燥し過ぎると削ったときに粉状になりやすい。

 

堀:「三保原屋」では削り器だけでなく、鰹節も扱っているんですが、「スーパーより、よく売れる」とメーカーさんに言われました(笑)。鰹節は天然ものなので、実は個体差があります。信頼できる工場で買えると良いのですが、外見から見分けができないのが難点です。高級な一本釣りでなくても鮮度にこだわり、なるべく手作業で作られているメーカーさんがおススメです。
この商店街でも数年前に乾物屋さんが閉店なさって、買える場所がなくなってしまったので取り扱うことにしました。
せっかく静岡という地で長年、生活雑貨の店をやっているので、地域の暮らしや食の魅力も併せて発信していきたいですね。

 

「台屋」鰹節削り器 ¥13,200(幅約8cm×高さ約5.8cm×長さ約24.7cm)
●材質(箱):ブナ クルミオイル仕上げ
●材質(鉋台):白樫

鰹節「手火山造り鰹節やまじゅう」本枯れ節200g~300g 約1500円~
(天然ものなので、サイズや価格に個体差があります)

 

撮影:三村健二

 

【編集後記】

「三保原屋本店」の店頭に並ぶ台所道具は、食器を含めると約2万点。棚には所狭しと商品が並んでいます。「現在はネットで買えないものはない、とも言われますが、実際に棚を見て、商品に触れて、店員と話しをしたり、背中を押してもらったり。そんな選ぶ楽しみってあると思うんです」と堀さん。今や100均ショップでもキッチン雑貨は買えるし、ネットを使えば自宅からでもショッピングができる時代です。それでも──
「便利でラクなのはある意味で快適ですよね。ただ、強いこだわりがなくても、効率”だけ”を追い求めるのでは虚しくなりませんか?」
堀さんの言葉から、日々の暮らしを楽しむ秘訣を改めて教えていただいた気がします。

*その他の「三保原屋本店」の記事はこちらから。

三保原屋本店(Mihoharayahonten)

住所:静岡県静岡市葵区呉服町2-3-6
営業時間:10:00~18:00
定休日:元日・不定休
TEL:054-252-7111

http://www.mihoharaya.co.jp/mihoharaya/
三保原屋本店通販 https://mihoharaya.buyshop.jp

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