「SABI」に‟made in INDIA”のものたちが多い理由

今日のひとしな
2021.09.30

~「SABI」より vol.30 ~

「SABI」の店内を見渡すと、衣・食・住、世界各国のものが並んでいますが、その中で雑貨のラインナップを見ると、なんだかインドのものが多いように感じます。意識的に仕入れているわけではなく、「いいな」と思うものがたまたまインド製だったということなのですが。だからといって、なんでもかんでもインドのものが好き、ということでは決してありません。

ですが、今行きたい国はどこか、と聞かれたら真っ先に「インド」と答えてしまいます。何故インドの雑貨が好きなのか。理由は幾つかあるのですが、きっかけは一枚のタオルだと思います。



それがインド製の「カディタオル」。

「SABI」を始める頃、憧れの方がしているカフェと雑貨の店がありました。店全部を買い占めたいくらい大好きだったその店で出会った、「カディタオル」。今ではメジャーになりましたが、当時はカディの布を日本で売っているところは他になく、その時に買ったタオルは今でも大切に使っています。私の好みは、白い生地にストライプのラインが入ったもの。ずっと大切にしたい‟ひとしな”です。

「カディ」とは、綿花を手で紡ぎ、それを手で織り、一枚の布にすること。粗い織りもあれば、綺麗な織りもあり、紡ぎ手の技術によって糸の太さも様々です。熟練した人の紡ぐ糸はとても細く、人の手によるものと思えないほど精密。インドが世界に誇る手仕事だと思います。



店では使いやすいハンカチやキッチンタオルが主ですが、ずっと変わらず置いてます。使っていくうちにくったりやわらかくなり、手放せません。

今、店頭には、そのカディコットンで仕立てたシャツとルームパンツがあります。カディ独特の質感と風合い。これからもずっと店頭に並べ続けたいと思っています。

真鍮のものも、ほとんどインド製。可愛い形のカトラリーやトレーは、だんだんとくすんで味のある色味に変化していくのも楽しいです。



チャイグラスは、インド人が一日に何度も飲むチャイ用の小さめなグラス。今では割れないステンレスにその座を奪われているようですが、灰色にくすんだ素朴なチャイグラスはいつまでもなくならないでほしいもの。11日にご紹介した「PUEBCO(プエブコ)」の商品もインドからのものが多いです。「VISION GLASS」もインド製でしたね。インドに限らずタイやベトナムの物も好きですし、アジアの手仕事的なものに惹かれます。



定期的に入荷するものもありますが、中には一回限りのものも。新品でもいびつだったり、傷がついていたりしますが、作られた国の生活が垣間見れるようでワクワクします。

これからも変わらずなくならないでほしいもの。インドでは普通だけど、日本では普通じゃない、それもまたよい、「made in INDIA」です。

一か月に渡り、お付き合いありがとうございました。つたない文章とへたっぴな写真で、自分でも一か月大丈夫かと心配になりましたが、おかげさまで楽しい経験になりました。店を始めて16年、店に並んでいるモノの裏側にある背景を改めて見つめなおし、自分たちが納得のできるものをこれからも紹介していけたらと思っています。



あまり変わり映えのない店ですが、変わらない良さもあると思います。こんな店ですが、これからもどうぞ宜しくお願いします。群馬にお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。

 

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SABI

住所:群馬県高崎市通町60
TEL:027-325-0225
営業時間:12:00~17:00
定休日:火曜、水曜
http://sabi-web.com/
instagram:@sabiphoto

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