気が付くと手に取っている 木工作家・柏木圭さんのキッチンツール
~「HJ GALLERY」より vol.19 ~
生活の中に溶け込むように、そっと暮らしを支えてくれるキッチンツール。誰かの家を訪れたときにチラッと見えるキッチンの風景は、なんだかとてもプライベートなもののように感じ、さらにその人の内面を知れたようにも思います。
声高に主張するわけではないけれど、家の中で日々使う日用品は、使いやすく美しいものが好きです。例えば一度気に入った木べらは、料理をしているときに他のものがあっても、ついついまたそれを選んでしまいます。自分の感覚に使いやすさが深く染み付いていて、身体が勝手に選ぶのでしょう。
先日、柏木圭さんの箸入れをご紹介しましたが、圭さんは国産木材を使ったキッチンツールも色々と作られています。
圭さんの工房は、ご自宅から徒歩ですぐのところにあります。長野の美麻という場所に構えられているのですが、5月に伺った時はとても心地よい気候でした。1日にご紹介した、奥様で陶芸家・柏木千繪さんの工房でもあるこの場所は、静かで落ち着いた雰囲気に満ちています。圭さんと千繪さんのあるがままの真っ直ぐで素敵なお人柄からか、いつも襟が正されるような感覚と穏やかな気持ちが合わさったような不思議な気分になります。自分自身が何を大切にしたいと思っているのかを改めて感じさせてくださいます。それはきっと、工房のあちらこちらから圭さんの制作に対する向き合い方が滲み出ているからなのだと思います。
料理上手な圭さんが「使いやすさ」を追求した品々。ほっそりとしたフォルムで持ちやすく、とても使いやすい料理用の木べら。一般的なものよりも、少し小さめで小回りがきくので、小さなお鍋やフライパンの隅にも沿ってくれて大活躍です。私にとっては手放せない木べらで、使ったことがない方は是非とも使ってみて欲しい優秀な逸品です。
ポテトマッシャーと肉たたき。この品に出会うまでは、ポテトマッシャーはフォークやスプーンで代用していました。そして肉たたきの代わりには、ワイン瓶の底にサランラップを巻いたものを。
ポテトサラダなどを作るときだけに使うポテトマッシャーとか、ステーキを焼く時にだけ使う肉叩きだとか、そんな限定された時にしか使用しないこの美しいキッチンツールに、愛情が溢れ出そうになります。その自立している佇まいに一目惚れしてしまい、いつも私のキッチンの傍に置いてあります。日用品はコンパクトにと私も考えているので、あまりたくさん増やさないようにしています。でも、料理をしているとその道具があるだけで格段に上手にできたり、スピードも上がったりします。何の道具を使うかは料理をする上でとても重要だと思います。このポテトマッシャーと肉たたきは、ジャガイモをつぶしたり、肉をたたいたりというシンプルな調理を特別なものにしてくれる魔法のツールです。
他には、麺棒も。これも絵本や映画に出てきそうなほど美しく、この麺棒を使うためにピザなどを生地から捏ねて焼いてもいいなと思ってしまうほど。
レモン絞りも。どうしてこんなにも心奪われ、浮き立つのかと思うほど、圭さんの作るものには愛が溢れています。
ポテトマッシャー ¥7,700、レモン絞り ¥7,700、木ベラ ¥2,200
綿棒 ¥8,800、カッティングボード(重ねてある上から順に)¥8,800(ウリハダカエデ)、¥11,000、¥11,000(ともにクルミ)
ドアストッパー ¥3,300
詳しくは「HJ GALLERY」までお問合せ下さい。
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住所:奈良県奈良市三碓2-4-13-2
TEL:0742-52-5000
営業時間:11:00~16:00
営業日:木曜・金曜・土曜
https://www.hj-g.jp/
instagram:@hjgallery
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