年々、希少になってきた、あけびのカゴ

今日のひとしな
2016.10.26

~sahanji+(サハンジプラス)より vol.26~


数年前まで、毎年恒例のように開催してきた「サハンジプラス」のカゴ展ですが、ここ数年は隔年くらいのペースでの開催になっています。春先になると、「今年のカゴ展はいつからですか?」というお問い合わせも増え、楽しみにしてくださる方の多い企画展ですので、そのお声に応えたいとは思うのですが、年々質のよいカゴが揃わなくなってきてしまったのを感じています。作り手のひとりは「山が変わってしまった」とおっしゃっていましたが、あけびや山葡萄の良質なツルの確保が年々難しくなってきているそうです。

異常気象やツルの乱獲、腕のよい職人さんの高齢化に後継者不足、原因はいろいろと言われていますが、人気と反比例して、よいカゴがなかなか揃わなくなってしまったのは、とても残念なことです。

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 「サハンジプラス」でも長らくお願いしていた、腕のよい女性の職人さんのあけび細工は、その出来栄えのよさに自信をもっておすすめしていたのですが、そのような理由で今回は約一年ぶりの入荷となりました。女性ならではの細やかさと丁寧さで、厳選された青森の八甲田山麓で採れたツルを使って編んでいます。

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 例えば手提げは、取っ手の付け根部分の可動域が広く、外側にしっかり倒れるので、物の出し入れがしやすく、編み目もピシッと揃っています。

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特に腕の良し悪しの出る「コダシ編み」のカゴの編み目は、素晴らしく綺麗なのです。ご購入くださったお客さまからも「コレを持っていたら、知らない方から褒めてもらったの」と、声を掛けられたというエピソードを聞くのも一度や二度ではありません。

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 残念ながらこちらの職人さんも、良質なツルが揃わないという理由で一旦製作をお休みせざるを得ない状況なのだそうです。とても腕のよい職人さんだったので残念な気持ちもありますが、一方で、もう山を休ませてあげないといけないのかもしれないな……とも思うのです。

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sahanji+(サハンジプラス)

2006年、お祖母様の暮らしていた一軒家を改装してオープン。器、道具、服など衣食住にまつわるものや、暮らしになじむオブジェなどが並ぶ。連載「今日のひとしな」の執筆は、店主の河村奈穂さん。

静岡県静岡市清水区堂林2-9-5
TEL:054-353-1155
営業時間:13:00~17:00
不定休
http://www4.tokai.or.jp/sahanji-plus/

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