暮らしの基本になるものを描く、早川桃代さんの鉛筆画
~フーコより vol.23~
私が知っている早川さんの作品は黒板にチョークでサササッと書いた可愛らしい絵で、近くにいたヤギや身近に咲いていた草花など、日常生活の中で彼女なりに目が止まったモチーフをチョークで思いのまま自由にお店の案内板でもあった入り口の黒板に描いていた。たまに見るその可愛らしい黒板の絵に「いいなぁ、絵が描けるって」と羨ましく思ったものだ。
このパンの絵は早川さんのライフワークとでもいうべき作品である。粉物好きの彼女らしいモチーフ。作者自身が日常の中で当たり前に食べている大好きなパンに目を向けるという素直な感じにも好感が持てた。暮らしの基本になるモチーフにフォーカスした鉛筆画。精細に描かれているが、柔らかい絵の雰囲気。
私の歩んでいきたいこととも近い気がしている。私のベースになっているもの、フーコの考えるベーシックをお店ご紹介したい、それがこれからの私のライフワークにつながる何かだと思っている。
私の写真の腕では表現しづらいので、もしも浅草方面へいらっしゃることがあれば散歩がてらフーコまで足を運んでみていただきたい。
日常をモチーフに描いていた彼女の可愛い絵を知っていたから、絵描きになると聞いたとき、その作品を店でご紹介したくていつもお世話になっているデザイナーの吉谷博光さんと靴作家の曽田耕さんに作品を展示できるようなスペースを設けたいと相談した。
今ではその作品がいつでもいろんな方々に見ていただけるように設置した白い額縁に飾って展示している。白い壁に白い額縁、前からそこにあったかのようにフーコの空間馴染んでいる。
絵を鑑賞したりするのは好きだったから、気になったのはその描き方だった。
聞いてみると右利きだから、右上側からどんどん書き進めているそうだ。素人の私は輪郭から描くのだと思っていたからそのパンの捉え方と集中力に驚いた。
写真では表現しきれない、実物から感じるものをそのまま見ていただきたい。
もしも気にいる一枚が見つかったときにはリビングやキッチン、玄関などお気に入りの場所に飾って楽しんでもらえたらうれしい。絵に合うようにと額縁の販売もこれからする予定である。
鉛筆画 ¥68,000
東京都台東区寿1-20-11
TEL:03-5830-2355
営業時間:12時~19時
不定休
※営業日はこちらのカレンダーをご確認ください。
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