ありそうで、なかなかなかったこの形　‟アロマオイルウォーマー”

～「LADER」より vol.29 ～

香りのアイテムは以前からずっと「何か欲しいなぁ」と思っていたんですけど、上品な雰囲気のものが多くて、好みのインテリアとの相性を考えるとちょっと違うなぁと選べずにいました。

ラタンスティックを挿すオーソドックスなタイプもいいけど、「香りにも気を使ってますよ」っていうのが目に見えちゃうのがちょっと恥ずかしいのもあって、見た目ではどんなものなのかちょっとわかりにくいものがよかった。

このアロマオイルウォーマーは理科の実験室に置いてありそうで、ですが喫茶店のコーヒー用品と一緒にあってもおかしくなく、どこかアクセサリーのようでもある。うん、いろんな要素を含んでいて何に使うものかわかりにくくていいです。実際にお店でも「これは何をするものですか？」とよく聞かれますしね。

工業デザイン的な無骨さもありながら、そっちに振り切れずに繊細な空気感も残ってるから、いろんな場所に似合う感じがするんでしょうね。ということは、いろんなタイプのお部屋にも似合いそうです。

今お店でこれを書いてるんですけど、となりのカフェからコーヒーの焙煎の匂いがしてきました。

コーヒーの匂いがすると、京都に来て初めてバイトしたカフェをときどき思い出します（こういう現象をプルースト効果って言うそうですよ）。僕は苦いのが苦手でコーヒーが飲めなかったんですけど、当時のオーナーが「エスプレッソ飲んでみたら？」と勧めてくれて、たっぷりの砂糖を入れたエスプレッソを飲むと、ギュッと凝縮されたコーヒーの旨味があって初めてコーヒーのおいしさを知りました。それから、その旨味を探すようにコーヒーを飲むようになり、そこから少しずつ飲めるようになったのでした。

いやぁ、コーヒーの匂いで思い出すのが苦い思い出じゃなくてよかったです(笑)。

嗅覚は五感の中でも特殊で、記憶や感情と結びつきやすいそうです。感情にも作用するなら、香りと上手に付き合えるようになると、リラックスしたり集中したり、日々をより健やかに過ごせそうです。

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