土がなくなり次第生産終了。「ONE KILN CERAMICS(ワンキルンセラミクス)」の「CULTIVATE(カルチベイト)」シリーズ
~「OEUVRE(ウーヴル)」より vol.28~
「CULTIVATE」とは、耕す・耕作するという意味を持ち、「culture(文化)」の語源でもあります。以前ご紹介した「ONE KILN CERAMICS」が展開している「CULTIVATE」シリーズは、色んな土地の土を使用し、鹿児島の食や伝統を学び、他の分野や技術とも関わりながら新しい価値観で器が作られます。1つ1つ手作りでそれぞれの色合いも異なり、土がなくなり次第生産終了という、とても価値のある器です。
やきものは、もともとその土地の風土や文化の中で育まれてきましたが、「現代ではその独自性が見えにくくなっている」という作家の城戸雄介さん。その考えやストーリーへの共感はもちろん、出来上がった器たちのなんと美しいこと。少し場所が変わるだけで土の成分が変わり、安定した器をつくるためにそれに適した土の層を探すそうです。
前回の「Kajiki Clay」は、薩摩焼の発祥地である加治木町の土と、様々な産地の粘度を調合した器が作られ、薄いブルーとブルーグレーの綺麗な水面のような表情でした。
そして新作はというと、鹿児島県最南西端に位置する坊津町の土を使用した「Bounotsu Clay」。歴史や伝統的な郷土文化を持つ坊津町は、温暖な気候を活かし柑橘類が栽培されており、その農場の耕された畑の粘土層部分を掘った土を使用した器です。
テーブルの上に並べると、貫入の表情もあり まるで浮き立つ惑星のような不思議な色合い。それでいて陶器の素材感と現代的な要素と……複雑な魅力がたまりません!
城戸さんが作り出す器はこんなにも存在感があるのに、和食に洋食、エスニック料理……何にでもばっちり合うのですが、今回の「CALTIVATE」も、絶対にそう! 特別な日の料理も、絶妙な存在感で引き立ててくれるはずです(※陶器なので、乾燥は十分に)。
国内外の雑貨や日用品、服、アクセサリーなどが並ぶセレクトショップ。連載「今日のひとしな」の執筆は店主の牟田絢加さん。
福岡県久留米市野中町1270
TEL:0942-33-0107
営業時間:12:00~17:00
休:月曜+不定休(2017年から変更予定。営業日はブログとインスタグラムで確認を)
https://oeuvre.stores.jp
http://store.persica.jp
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。