ほっと一息は両手で大切に
〜「Repos de midi/ルポデミディ」より vol.12〜
今日は滋賀県 信楽焼の古谷製陶所さんの器「鉄フリーカップ」のご紹介です。
私たちのまち枚方市と信楽は車で1時間くらい。京都・滋賀の茶畑を越えればすぐの距離です。
小学生の頃に家族でよく器の買い付けに行ったので、信楽は私にはとても身近な存在でした。子ども心に…京都の焼き物はツルっと光沢があってとってもきれいな白と青。
信楽の器はザラっとしていて土色。だから、カケてもばれなさそう…そんな感覚で家でも遠慮なく使っていました。
そんなベースがあったからか、20年前にカフェをする事になった際まず頭に浮かんだのが「信楽」でした。
カフェで使うなら、欠けてもあじになって素朴な信楽がいい。まだメニューも何も全く決まっていない段階で、主人と二人で車を走らせ、数十年ぶりに信楽に向かいました。
町並みは当時のまま。道路の両サイドには大小いろんな大きさのタヌキの置物が並ぶ信楽の町。古い建物がかわいい1軒の器屋さんに目が留まり「まずはここから散策してみよう!」と車を停めました。中に入るとたくさんの色とりどりの絵柄や釉薬の器。
その中で、一番シンプルで一番静かに佇んでいたのが古谷製陶所さんの湯飲みでした。白いけど、あたたかい色。手に持つと軽い。それが古谷さんの湯飲みの印象でした。
当時、珈琲カップといえば持ち手の付いたカップ&ソーサ―かマグカップがあたり前だったんですが、その店に並ぶ湯飲みからインスピレーションをもらって「カフェでホッと和んでいただくには両手がいい!でも和風にはしたくない。」
できるだけデザインを削ぎ落して、その場で絵を書きサイズを決め、特注の器までオーダーして、一目ぼれした古谷さんを含めた5人の作家さんの湯飲みを箱いっぱいに買って帰りました。散策ではなく、最初の1軒で器は全て決まりました。(メニューは全く決まってないのけど…。)
あれから20年。手間を惜しまず守り続けられる製法と、独自の視点で年々進化を続ける古谷さんの器。どの器も、盛りつけると料理をおいしく完成させてくれて、野菜の色は鮮やか映ります。
どの器もおすすめですが、今回は「フリーカップ」をご紹介させていただきました。小鉢として使ったりスープを入れたり、脇役になったり主役になったり、多彩なフリーカップ。もちろん、一番おすすめの使い方は、お茶や珈琲をいれてほっと一息つく時。両手でつつんで持つと手もほっこり温まりますよ。
大阪府枚方市堤町10-12
TEL:072-843-1525
営業時間:平日11:00~17:00、土日12:00~17:00
定休日:月・火曜日(祝日の場合は営業)
HP:https://www.repos-de.com/
オンラインショップ:https://shop-repos.com/
Instagram:@reposdemidi
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