ゆらぎの中にある凛とした光、rinn to hitsujiの灯り

今日のひとしな
2025.12.10

〜「tömpa(東巴 / とんぱ)」より vol.10〜


“揺らぎの中にある凛とした一筋の光。それはあなたの中に燃え続ける強い光。それを見失わぬよう、道しるべとなるよう、ともしびを絶やさずにいたい。”この言葉のとおりに、自然の光を丁寧に形にしているのが、京都でキャンドルをつくる鈴木理恵さんです。「rinn to hitsuji(リントヒツジ)」という名前には、“糸を紡ぐように丁寧に、羊のようにおだやかに”という思いが込められているといいます。
2007年の活動開始以来、鈴木さんは天然素材だけを使い、すべてのキャンドルを型づくりから手作業で制作されています。


使われるのは、大豆から抽出されるソイワックスや菜種ワックス、そしてミツバチの巣から採れる蜜蝋など、自然の恵みそのもの。化学的な素材を使わないことで、炎の色や香り、燃える時間までもがやわらかく、静かな深みを持っています。火を灯すと、蝋はゆっくりと溶け、炎が芯を包みながら呼吸をするように揺れます。
その時間を見つめていると、自然の営みの中に自分も溶け込んでいくような、不思議な安らぎを覚えます。


溶かした蝋の温度や流し込むタイミング、その日の気温や湿度によっても仕上がりは少しずつ異なり、同じ形は二つとしてありません。だからこそ、ひとつひとつに炎のゆらぎのような個性が宿ります。


作品の中には、鉱物の粉や天然の顔料を混ぜて描かれた装飾もあります。それらはまるで地球そのものが静かに息づいているような表情を見せ、光の角度によって異なる表情を生み出します。


自然のままの色を大切にしているからこそ、どのキャンドルにも“つくりすぎない美しさ”があります。人の手のあたたかさと、自然素材の静かな力が響き合うその姿は、まさに“地球の欠片”のようです。お料理の邪魔をせず、やわらかな炎の灯りは、つい食卓にもともしたくなります。


香りづけには、すべて天然のエッセンシャルオイルを使用。主張しすぎないほのかな香りが空気に溶け込み、灯りとともに心をやわらかく解いてくれます。炎のゆらぎ、蝋の溶ける音、そして香りが溶け合い、五感のすべてで“自然とつながる時間”を感じさせてくれます。
静かな夜の食卓や読書のひとときにはもちろん、キャンプなど自然の中に持ち出して灯すのもおすすめです。炎と風と香りがひとつになって、より深く自然と調和する時間を楽しめます。


ソイキャンドルには植物のやさしさを、蜜蝋キャンドルにはミツバチの営みのあたたかさを。どちらも自然の循環から生まれた灯りであり、燃えゆくその時間さえも尊く感じられます。火を見つめていると、心の奥にあるざわめきが静まり、自分の中に燃え続ける“凛とした光”に、そっと気づかされるようです。


鈴木さんのキャンドルは、暮らしの中に小さな祈りを灯してくれます。忙しない日々の中で、静かに自分と向き合う時間を与えてくれる存在。


自然の素材から生まれ、手のぬくもりを宿したその灯りは、今という瞬間を優しく包み込み、まるで私たちの心にそっと寄り添う道しるべのように、今日も静かに燃え続けています。


■[ rin to hitsuji ] 鈴木りえ 蜜蝋キャンドル 白
■[ rin to hitsuji ] 鈴木りえ 蜜蝋キャンドル 黄色

 

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tömpa(東巴 / とんぱ)

静岡県湖西市新居町新居2731
TEL:053-594-8633
営業時間:11:00〜17:00
定休日:日・月
(※展示会期間中は日・月も営業 / 最新情報はSNSを確認)
Instagram:@tompa_japan
(※営業日や展示会・料理教室などWSについては随時Instagramでお知らせ)

Online Store:
https://www.83com.com/
https://tompa-antiques.stores.jp/
https://www.rakuten.co.jp/tompa/

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