ペイントブラシを見えても嬉しい日用品に

今日のひとしな
2025.12.18

〜「tömpa(東巴 / とんぱ)」より vol.18〜


旅先でスーパーに立ち寄るのが好きな方は多いと思いますが、私の場合、どこの国へ行ってもまず向かうのはホームセンターです。
以前は食品や日用品を見て回るのが旅の定番でしたが、リノベーションや新築工事に関わるようになってからというもの、建材や道具の並ぶあの空間がいちばん心惹かれる場所になりました。荷物がぎっしりになるのはいつものことなので、レンタカーで向かいます。


どんな国にも共通して「暮らしを作るもの」が並び、人の手の工夫や土地の文化がさりげなく現れている。それを見つけるのが、私にとっての旅の一番の楽しみになっています。そんなある日、フランスのホームセンターで出会ったのが、今回ご紹介するペイントブラシです。


棚には、サイズも形も毛の種類も異なるブラシがずらりと並び、見ているだけで心が弾みました。「うわ、かわいい!何かに使えないかな?」とワクワクしながら眺めているうちに、気づけば何本も手に取っていました。しかも毛は天然の豚毛で、筆先を留めている金具の部分はなんと銅製!その質感と色合いに、思わず、こんなに美しいモノを掃除道具として使いたい!と、興奮してしまいました。


見た目にも美しく、使っていて気分が上がる掃除道具。トイレや洗面所のような小さな空間こそ、こうした“見えても素敵”な道具があると、掃除の手が進みます。いくつかのペイントブラシを持ち帰った今では、すっかり私の日常の相棒です。ペンキを塗るために作られた道具ですが、手洗い場の洗面器やトイレの隅のほこり、窓のサッシや階段の角、テーブルの伱間など、細かい部分を掃除するのにぴったり。美しく使いやすい道具があるだけで、日々の家事も気持ちよくこなせるのです。


ブラシの毛先は柔らかく、細かなところまでやさしく届きます。柄の形も手になじみやすく、無駄のないデザイン。もともとは職人が塗料を扱うために作られたものだからこそ、機能美と実用性がしっかりと備わっているのだと思います。

掃除用具として使ってみて感じるのは、まるで新しい命を吹き込んだような感覚。
“道具の転用”というより、“暮らしの中で再発見した美しさ”に近いのかもしれません。使い方を変えることで、モノの表情が変わり、自分の生活も少し変わる。


もともとの用途を離れても、誰かの暮らしの中で役に立ち、愛され続ける。そんな姿は、きっと「ものづくり」の本質のひとつ。
このブラシたちは、ペンキを塗るための道具としてではなく、“暮らしを整えるための小さな相棒”として、今日も私の手の中にあります。見えてもクールで、使っても心地よい。掃除の時間さえも少し楽しく、軽やかにしてくれる存在です。


旅先で見つけたペイントブラシが、こうして日々の暮らしの中で静かに役立っていることに、なんとも言えない幸せを感じます。きっと次の旅でも、ついスーパーより先にホームセンターに足を運んでしまいそうです。皆さまもぜひ、旅先での小さな発見を楽しんでみてください。




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