ティートーンの布がつくる柔らかな間仕切り

今日のひとしな
2025.12.19

〜「tömpa(東巴 / とんぱ)」より vol.19〜


今日のひとしなは、新しい店舗用に見つけた「柔らかなクロス」についてお話しさせてください。
2024年4月にリニューアルオープンした新店舗は、以前よりぐっと広く、光が思いのほかダイレクトに入る場所が増えたため、間をつくるための布が必要になってきました。光を遮りすぎず、でも視線をやわらかく散らして、カーテンほどの主張で
はなく、軽やかにふんわりと。そんなイメージで数ヶ月探しました。そしてある時、ふと舞い込んできた布が、まるで紅茶をひとさじ落としたような柔らかなティートーンで、光をふんわりと吸い込みながら返してくれる色をしていて、すごく気に入りました。


フランスのアンティーク生地や、現地で見つけた大判のカーテンもいくつか手元にありますが、フランスの古布はどうしても重量があり、空間にゆるやかな動きをつけたいときには少し存在感が強すぎる。一方で、韓国のアンティーク・ポジャギはとても美しいものの、サイズが小さくて。


布地の強さや、時間を経た糸が持つ奥深さは、アンティークならではの大きな魅力です。ずっとそこに価値を置いてきた私ですが、今回はそのこだわりからいったん離れ、歴史の重みとは別に、光と風をふんわりと受け止めてくれる、日々の空間にそっと寄り添う軽さとやわらかさ。その視点で選んだ一枚は、価格だけ見ればアンティーク布とは比べものにならないほど手頃なもの。


アンティークのような“本物の風合い”はありません。糸の強さや布地の密度、長い時の流れが与える深さは、やはりアンティークならではのもの。このクロスは違います。でも、だからこそ「気兼ねなく使える良さ」があることにも気づきました。


何枚でも重ねられる。惜しみなく切っても縫ってもいい。空間のために遠慮なく加工できる。布を素材として捉える自由さは良いですね。


実際、私は縫い合わせてカーテンにしたり、ふわりと壁に掛けたり、光の強い窓にそっと重ねたり。ときにはショールのように身にまとったり、バッグの蓋にくしゅくしゅっとラフに乗せてアクセントにしたり。本来の用途を軽やかに超えていく布は、とても用途が多く、使うたびに小さな発見があります。


上質なアンティーク・ポジャギと組み合わせて使うこともあります。新店舗を建てる際、私は細部にまでこだわりました。電気のスイッチひとつにしても、フランス現地で選ぶほど、妥協のない空間づくりを目指していたのです。そのため、初めて
このクロスを手にしたときは、正直迷いもありました。しかし、このクロスは良い意味でこだわりすぎず、妥協とは異なる、心地よい選択だと感じました。
「あれ、案外いい。むしろ、とてもいいかもしれない」と(笑)。


店舗に訪れてくださる方から「この布は買えるんですか?」と尋ねられることも多く、私自身も使うたびに、選んで良かったなと感じるようになりました。高級なものや本物のアンティークには確かな力があります。でも、それだけが空間を支えるわけではありません。軽やかで、自由で、変化を許してくれるもの。今日ご紹介したこのクロスは、その余白のような存在なのかな。。。と。


最初は半信半疑で手にしたクロスでしたが、いまでは自信をもってこの選択でよかった!と言える存在になりました。

ティートーンクロスは実店舗で販売しております。ご購入やお問い合わせは、InstagramのDM、メール、またはお電話にて承っております。

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tömpa(東巴 / とんぱ)

静岡県湖西市新居町新居2731
TEL:053-594-8633
営業時間:11:00〜17:00
定休日:日・月
(※展示会期間中は日・月も営業 / 最新情報はSNSを確認)
Instagram:@tompa_japan
(※営業日や展示会・料理教室などWSについては随時Instagramでお知らせ)

Online Store:
https://www.83com.com/
https://tompa-antiques.stores.jp/
https://www.rakuten.co.jp/tompa/

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