フランスの蚤の市で手にした、小さな旅の輝き

今日のひとしな
2025.12.20

〜「tömpa(東巴 / とんぱ)」より vol.20〜


今日のひとしなは、フランスの蚤の市で出会ったヴィンテージのアクセサリーをご紹介したいと思います。


フランスの田舎の蚤の市では、人々の会話や木箱の中で触れ合う金具の音が混ざり、雑多でありながらどこか心地よい空気が漂います。日が昇り、木漏れ日が土の上に差し込むと、広場が少しずつ明るくなり、言葉にできないエネルギーに満ちてきます。雑然とした中で美しさや楽しさを感じながら歩く時間は、まるでその場所自体が宝物のようにワクワクします。そして、古いアクセサリーやヴィンテージの小物を見つけたときの嬉しさは、朝の空気とともに味わう、特別な瞬間です。


蚤の市でアクセサリーを選ぶとき、私はいつも「身につける人らしさが映るかどうか」を大切にしています。ヴィンテージだからといって、古さを主張するものではなく、日常に自然と馴染むもの。ちょっと気分を変えたい日には、耳や胸元にそっと光を添えてくれる。そんな一品に出会えたときは、本当に嬉しくなります。


アクセサリーを探すとき、難しいのは左右が揃ったものを見つけることです。蚤の市の特色によっては、片方だけ残っていたり、ガラスケースにきちんと左右並べられている店もあれば、箱の中にごちゃごちゃに混ざっている場合も多く、同じ形のものを探すのは簡単ではありません。そんなときは、似たテイストや雰囲気のものを合わせ、バランスが心地よくなるまでじっくり手に取ります。


それでも、左右を探したり、組み合わせを試したりする時間は本当に楽しいのです。店主と「これはどう?」「あれは?」と声をかけ合いながら、ひとつひとつ手に取って確かめる時間も、蚤の市ならではの楽しさです。


私のアクセサリー好きの原点は、20代の頃にあります。
若い頃は彫金をしていて、イギリスやオーストラリア、日本の教室に通いながら、ゴツゴツとした自然のままのターコイズや、カレン族のシルバーパーツを組み合わせてオーダーアクセサリーを作っていました。旅先で見つけた石や金属を大事に持ち帰り、夜な夜な机に向かって黙々と形にしていたあの時間。
父が彫金用にと、専用の作業テーブルを手づくりしてくれたのも、忘れられない思い出です。頑丈で、どこか温かみのあるそのテーブルは、今も我が家のキッチンで、少し形を変えながら現役で使われています。


フランスのヴィンテージアクセサリーには、どこか静かな魅力があります。派手さよりも、時間の積み重ねが生み出すやわらかな艶や、少し擦れた金属の表情。その奥にある深さや味わいは、新品にはないものです。
若い頃の私は、とにかくジャラッと揺れる大ぶりのピアスが大好きで、毎日違うものを楽しんでいました。けれど歳を重ねるにつれ、自然と選ぶ数は少なくなり、無理に飾るよりも、ひとつの気に入ったものを繰り返し大切に使うほうが、自分にしっくりくるようになりました。


明け方のパリ。21歳の頃、アルバイトをして手に入れた3wayのバックパックを背負い、これから始まる蚤の市巡りに胸が高鳴ります。朝の澄んだ空気に、近くのカフェからふわりと漂う淹れたてのエスプレッソの香りが混ざり、今日という日の始まりを静かに告げてくれます。
東巴では、世界各国の商品買い付けのほか、オリジナル製品づくりやOEMのご相談も承っています。どうぞお気軽にご相談ください。




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tömpa(東巴 / とんぱ)

静岡県湖西市新居町新居2731
TEL:053-594-8633
営業時間:11:00〜17:00
定休日:日・月
(※展示会期間中は日・月も営業 / 最新情報はSNSを確認)
Instagram:@tompa_japan
(※営業日や展示会・料理教室などWSについては随時Instagramでお知らせ)

Online Store:
https://www.83com.com/
https://tompa-antiques.stores.jp/
https://www.rakuten.co.jp/tompa/

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