身につける彫刻　モニカ・カスティリオーニ展 vol.1

〜「tömpa（東巴 / とんぱ）」より　vol.25〜

本日ご紹介するのは、イタリア・ミラノ生まれのアートジュエリーデザイナー、Monica Castiglioni（モニカ・カスティリオーニ）。ジュエリーだけでなく、フォトグラフィーやセラミックの制作も行う多才なアーティストです。モニカの日本総代理店である福岡の株式会社「VELVET THE SHOWROOM」のご協力により、今年5月に弊店にてトランクショーが実現しました。

モニカの作品を知ったのもお客様とのご縁から始まりました。仲良くしてくださっている常連さんが身につけていたジュエリーがきっかけでご縁がつながり、私たちのお客様にもお届けできる喜びを改めて感じた時間でした。

自然界に息づく繊細な美しさと生命力にインスピレーションを得て生み出されています。中でも「Pistilli（ピスティーリ）」シリーズは、花の雌しべ（ピスティル）をモチーフにしたデザインで、柔らかな曲線と躍動感に満ちたフォルムが特徴です。まるで身につける彫刻のように、身につけた瞬間、その美しさを感じ、肌になじんでいく感覚は他のジュエリーとは一線を画します。

素材はブロンズやシルバーなどが中心で、時間の経過とともに色や質感が変化していくのも特徴です。身につけるたびに違った表情を見せてくれるのも魅力のひとつです。

父はイタリア・デザイン界の巨匠、Achille Castiglioni（アキッレ・カスティリオーニ）。そんな環境で育った彼女だからこそ、日常とアートの境界を自由に行き来し、身につける人にさりげなく力を与える作品を生み出すことができるのだと感じます。
装飾品としての美しさだけでなく、生活や空間との調和も意識されています。フランスのアンティークや他の器、ガラスなどとも不思議と馴染み、大振りながらも生活に自然に溶け込みます。身につける人の個性や日常に添いながらその存在感を放つのも魅力です。展示会で直接触れ、身につけていただくことで、その心地よさをより実感していただけます。

昔は彫金を学び、オーダーを受けていたほどジュエリーづくりが好きでしたが、子育てやリノベーション、庭仕事などに追われるうちに、手はすっかり女性らしさを失い（笑）遠ざかってしまいました。そんな今の手にも不思議としっくり馴染み、大振りでありながら洗練されたデザイン性を持つ作品に出会えたことは、私にとって大きな喜びでした。

次回の展示会は、2026年5月後半の開催が予定されています。どんな新しい作品に出会えるのか、今からとても楽しみです。展示会の詳細は、随時インスタグラムにてお知らせいたしますね。

Instagramはこちら

←「tömpa（東巴 / とんぱ）」の今日のひとしなはこちらから

←このほかの「今日のひとしな」はこちらから