火を灯したくなる線香花火
〜「ガランドウ」より〜 vol.10
夏になるとスーパーやドラッグストアに並んでる花火セット。小さい頃、夏休みになるとあの花火をよくしました。火をつけて、暗闇がふわ~っと明るくなる。わぁきれい~と思ったらあっという間に消えちゃってハイ次、ハイ次。次から次へ花火がなくなり、線香花火で締めるというのが定番でした。

噴火するあの瞬間のスリルが非日常的で楽しく、最後に残る線香花火をやる頃にはなんとも寂しく、半分拗ねて眺めていました。今思うとその感情が幼くてかわいいなと思います(笑)。

福岡県みやま市に、1929年創業の「筒井時正玩具花火製造所」があります。こちらでは唯一国産の手作り線香花火を作っておられます。(日本で売られている線香花火のほとんどが外国産だそうです)

筒井さんの線香花火は、いちから手作り。本体の和紙、和紙の中に包まれている火薬も全て手作り、そしてそれらの材料は宮崎だったり、福岡だったりと、製造所の地元九州地方で生まれ選りすぐられた材料ばかり。はぁ、参りました。

和紙に火薬を包む作業もネジネジと棒状にする作業も、もちろん機械ではできません。ほとんどの工程を手作業で行われています。

そんな線香花火に火を灯した瞬間の驚きは言うまでもありません。火の玉ができてから消え落ちるまで、まるでドラマのように素敵でドキドキ心躍らされます。着火してから変わりゆく火花の姿は、蕾・牡丹・松葉・散り菊と名づけられ、まさしく線香花火の一生です。

その美しさは、小さい頃、線香花火に抱いていた寂しさを見事に覆してくれます。日本で作られた線香花火はとっておきに残しておくくらい素敵なんだよって、あのころのわたしに教えてあげたいです。

ちりちり、ふさふさと宙に咲く火花。短い瞬間にも丁寧に、そしてきれいに咲き、姿を変える火花。それぞれに付けられた火花の名前を唱えながら感じたい線香花火です。
■「筒井時正玩具花火製造所/花一片」はこちらからご覧いただけます
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富山県高岡市定塚町1239
TEL:0766-22-3623
営業時間:10時~18時
定休日:日曜、月曜
https://garandou.jp/
Instagram:@_garandou_
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