砂糖壺のかたち
〜「en-shouten」より〜 vol.30
一か月間お付き合いいただいた「今日のひとしな」も、今日で最後です。最後は、作り手の方と協業で制作した商品を紹介させてください。
毎朝、職場に着いたらまずこのカップにラテを入れて飲む。それが日課になっています。

作っていただいたのは、木祖村の脇田行人窯、二代目の脇田悠作さん。京都で修行をされてから、木曽に戻ってこられました。
4、5年前ですかね。企画展示で作品を拝見したのが最初でした。そのとき購入したぐい呑みは、今でもお気に入りです。
焼き締めや掛け分け、絵付けの器など、多様な作風で日進月歩、日々試行錯誤しながら制作されています。朗らかな方なのですが、同時にとても生真面目で、半端なことをしない。「これはやめておきましょうか」と、卸してくれないこともあります。

今回オリジナルとしてお願いしたのは、磁土を含めた素材での焼き締めです。薪窯で焼かれた器は、釉薬の掛かっていないところが焼き締めになっていて、薪火の暖かさを感じるテクスチャーがあります。
磁土を含めることで、手に取るとシャープというか、硬質な印象がある。そこに焼き締めの温かみが乗ってきます。陶器よりもハードユースに耐えて、洗いやすく、保管もしやすい。薄さも魅力です。

併設のSANKAKU BREW STANDに、いつかイートインスペースを増やしたいという構想があります。そのときは脇田さんのカップでお出ししたいと思っていました。まだカフェ化はできていないのですが、常連様にはこのカップでお出ししています。

ラテを気軽に飲むのに、丸みのある形がいいなと思っていたのですが、工房で拝見した先代のシュガーポットがとても素敵で。その丸みを踏襲する形で、試作を繰り返していただきました。
使いやすさを何より考える脇田さんと、デザインの面白さを優先したい私たち。そのすり合わせが、難しく、面白いところです。

磁土に陶土を混ぜた土がベース。内側には長石釉が全体に掛かり、外側はさまざまな比率で掛け分けられています。1分掛け、3分掛け、6分掛け、9分掛けなど。選ぶ楽しさや、一期一会の出会いを楽しんでいただけたらと思って。
1分掛けでも口元には釉薬が掛かっているので、着色しづらくなっています。

内容量は約240ml。使っているときは手の中にすっぽり入る様が可愛らしく、使わないときは横に並べても素敵です。2、3個スタッキングした様子も楽しくて、気に入っています。
コーヒーや抹茶ラテはもちろん、スイーツや小鉢としても使いやすいサイズ。釉薬の掛かり具合を変えて、複数使いするのもおすすめです。

脇田さんのように、日々試行錯誤しながらものづくりを突き詰めていく方を紹介できるのは、商い冥利に尽きます。
定番の商品を一緒に育てながら、年々変化していく作品もご紹介し続けたい。作家さんとやりとりをしながら、店として少しずつ成長させてもらっている感じがあります。いろいろと教えてもらいながら。うちなんてまだ小さな商いですけどね。

一か月間、つたない文章にお付き合いいただきありがとうございました。
年々ハードもソフトも手を入れながら、小商いを続けています。長く続いている作り手の方々ほど、毎年何かを変えている。この一か月、そういう方々ばかりを紹介してきた気がします。
何かのおりに近くに来たら、ぜひお立ち寄りください。その頃には少し違う店になっているかもしれませんね。今気になるのはアイスクリームと醤油ラーメンです。よろしくお願いいたします。
(文・井上)
en-shouten × 脇田行人窯 オリジナルフリーカップ | en-shouten ONLINE
長野県木曽郡木曽町福島8101
TEL : 0264-24-0875
営業日/時間:Instagramを確認
https://en-shouten.com
Instagram : @en_shouten
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