身軽なお重「ヤマサキデザインワークス」の枡重
~ musubi(むすび)より vol.11 ~
いつかきっと、と心の中であたためているものがある。数年来、あれやこれや比較検討、店先でためつすがめつ眺めながら、まだ手にしていないもの。お重がそのひとつだった。
「“一生もの”って重くのしかかってくる時があるよね」とは、「ヤマサキデザインワークス」のデザイナー山崎宏さんと話した時に耳に残った言葉。これを手にしたらずっと大切にしなきゃ、これを自分の暮らしに迎えるには……など、たしかによく吟味して選び、ものを大切に手入れして長く使うというのは大事なこと。でも一方で、「この選択はもう変えられない、というのが見えない圧力になることもあるよね」というお話。
一升枡を基に浅く仕立てた、木曽檜の枡のお重。枡は、建築用の柱や梁などで使った残りの端材でできたもの。元々、木材の有効利用で作られているので、気兼ねなくがしがし使って、何年も経ったら新調する。檜は最終的に自然に還るもの。重圧を想像してずっと手にしないよりも、手にとりたくなる身軽さと気軽さ、循環という形を生み出す山崎さん、きっと天才だと思う。食通で料理上手、食の道具を手掛けるのもやっぱり上手い。
高さ25mmのものは蓋に、60mmのものは身に。蓋も身も別々にひとつずつ購入できるので、まずは一段から始めてもいい。蓋をお皿代わりに使ってもいい。
塗りの施されていない白木はおにぎりにも、サンドイッチにもよく似合う。気軽で身軽なお重です。
普段の暮らしに、ささやかだけれど美しく、しっかり寄り添ってくれる日用品や雑貨をセレクトしたお店。「今日のひとしな」の執筆は、店主の坂本眞紀さん。
東京都国立市富士見台1-8-37
TEL:042-575-0084
営業時間:12:00~18:00
定休日:日、月曜
WEB:http://www.musubiwork.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/musubiwork/
instagram:https://www.instagram.com/musubi_work/
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