お総菜の小皿を並べた朝ごはん
「さんのはち」森田美絵さんvol.1
はじめまして。東京・新富町「さんのはち」の森田美絵です。9月の「器店主の ある日の朝ごはん」連載コラムを担当させていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
「さんのはち」にある器は、ほとんどが古いものです。古いといっても、「骨董の器」という高価なイメージのものではなくて、毎日使いたくなるさりげないものです。
家では古いもの、作家さんの作品などいろいろ使っていますが、どれも自分にとって、とびきりの「お気に入り」。朝、ごはんの支度をして使う器を選ぶとき、ちょっと「ニマニマ」したくなったら、今日の元気の素になる朝ごはんをおいしく食べられる気がします。
朝起きたら毎日、まずはコップ1杯のお水を飲みます。このグラスは気が付いたらもうかれこれ20年以上使っています。
堀井和子さんがデザインしたこのグラスがほしくて、千葉から横浜・青葉台の「キャトルセゾン」までわざわざ買いに行った記憶があります(笑)。少し小ぶりのサイズ感で、毎日毎日使っている大切なグラスです。
我が家は主人と二人暮らし。二人とも、朝はほぼ白いごはんです。なぜかもう何十年も、毎日必ず「もずく酢」と「プレーンヨーグルトにブルーベリーのジャムとてんさい糖を混ぜたもの」を食べます。
今日は定番の納豆と、ひじきの煮物(近所のスーパーで買ってきたもの)、いんげんの胡麻和え、畑が生きがいの義母のかぼちゃで作った甘煮、たらこと昆布の佃煮(これまた近所のスーパーにて購入)です。
小さな器好きとしては、たくさんの豆皿や小鉢を並べたいのですが、すべてのおかずを作るのはさすがに無理。なので、手作りのお総菜がおいしい近所のスーパーにちゃっかりお世話になっています。
今日の器で古いものは、かぼちゃの甘煮のガラス小皿、ヨーグルトのガラス小鉢、梅干しのちっちゃなガラス豆皿、どれも昭和初期のプレスガラスです。今日は朝から少しムシムシしていたので、見た目涼しく、ガラスものを使いたくなりました。
いんげんの胡麻和えは唐子(からこ)の八角皿に。ちょっと気になるニュウ(ひび)が入っていたので金継ぎをして使っています。ひょうたん型の箸置きは、昭和初期のタイルですが、お箸置きとして使っています。
梅干しは、毎朝1粒食べるようにしています。義母が毎年作って分けてくれます。豆皿は、お店を始める前から骨董市や旅行先などで見つけては、なんとなく増え続けていますが、しまい込まず普通に使うようにしています。梅干し1粒ですが、豆皿にのせるとちゃんと存在感が出て、朝ごはんの準備をしながら今日の豆皿を選ぶのは、「ニマニマ」するささやかなしあわせ時間です。
お店にも小さな器やプレスガラスのお皿が並んでいます。ぜひ、お気に入りを探しにいらしてくださいね。
「時を経てもなお、かわいらしくて、どこか新鮮で心くすぐられるもの」をテーマに、主に大正~昭和初期のガラスや器、雑貨を扱う店。コラム執筆は、店主の森田美絵さん。
東京都中央区新富2-4-9 三新ビル3F
TEL:090-4544-3695
営業時間:13:00~18:30
定休日:日、月、祝(変更もあるので、ブログで営業日を確認の上お越しください)
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