飽きのこない北欧「iittala(イッタラ)」の「Teema(ティーマ)」
~designshop(デザインショップ)より vol.14 ~
「イッタラ」の「ティーマ」シリーズ、もうすっかり定番の食器として定着していますが、やっぱりご紹介したくなるひと品です。「ティーマ」は、北欧を代表するデザイナー、Kaj Franck(カイ・フランク)がデザインした、マグカップやプレート、シリアルボウルなどが揃う食器シリーズ。
今では定番として見慣れている形ですが、「ティーマ」の前身である「*Kilta(キルタ)」が発表された1953年当時は、デコラティブなものが美しいとされていた時代。そんな時代に、このシンプルなデザインは衝撃的だったようで、中には批判的な声もあったといいます。今の私たちからすればその状況のほうが驚きですが、そのくらい当時としては斬新なデザインだったようです。
*「ティーマ」は「キルタ」の改良版で、1981年にカイ・フランク本人がリデザインしたもの。その時に、電子レンジや食器洗浄機にも使えるよう、素材が陶器から磁器へと変わりました。
丈夫で割れにくく、洗いやすい、重ねて収納できる、盛り付けしやすく食べやすい……と、使いやすさは抜群。今では当たり前すぎて気づかないようなことばかりですが、それらをきちんと備えているのが、毎日自然に手が伸びる理由かもしれません。
また、ほかの食器とも組み合わせやすい、どんなインテリアの中にあっても違和感がないというシンプルなデザインも、やっぱり使いやすさにつながります。上の写真では、「KAYMET(ケイメット)」というアルミのトレーと合わせて使っていますが、こういう異素材のものと合わせても、主張しすぎずにお互いを引き立て合うので、インテリアの撮影などでもよく使っています。
そして「ティーマ」シリーズの中でも、ついつい増えていくのがマグカップ。手頃な価格でプレゼントにもぴったりなので、いただくこともしばしば。オーブンでも使えるため、パンで蓋をするシチューを作ったり、プリンを作ったり、飲み物以外にも使えて重宝します。
マグカップに限らずですが、“必要な装飾は色だけ”という、カイ・フランクのデザイン理念通り、カラーバリエーションが豊富なのも買い足す楽しみにつながります。10年くらい前に買ったもの、最近買ったものもあるのですが、それを全く感じさせない、飽きのこないデザインだなあと今回あらためて思いました。
使う状況や人のことを思いながらデザインした、カイ・フランクの人柄の影響もありますが、”控えめで優しい食器“、そんなイメージを私は「ティーマ」に持っています。そして、そういう優しさを感じられるものがやっぱり人は欲しくなるのかもしれないなと、この長年愛されている「ティーマ」を見ていると思います。
文 杉江厚子
シンプルライフ、クオリティライフにふさわしい、流行に左右されず末永く使える優れた商品を発信するショップ。「今日のひとしな」コラム執筆は、オーナーの森 博さん、店長の鹿野幸祐さん、広報の杉江厚子さんをはじめとするスタッフのみなさん。
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