直線的なフォルムがきれいな「E&Y」のモビール「in the sky」
~ HOEK(フーク)より vol.24 ~
枯れ落ちた枝が下の枝にひっかかり
ゆらゆらと揺れている
そんな偶然が作り出す状況の危うさと均衡の中に
新たな美しさを感じたのです
……そんな思いから作られたモビール。国内外のデザイナーを起用し、デザイン性やテーマ性の高い商品を展開する東京のファニチャーレーベル「E&Y」より、2010年に発売された商品です。直線的なフォルム、スチールの質感が、空間によい緊張感を与えてくれます。
まさに、木に枝が引っかかっているように、折れ曲がったスチールに、折れ曲がったスチールを引っかけたデザインで、バランスが保たれています。
ですので、どのスチールをどこに乗せるかは決まっていて、違う乗せ方をすると傾き、均衡を保つことはできません。
部屋の印象は、空間の上部の使い方で随分と変わるものです。テグスが付属しており、天井から画鋲で留めたり、小さなフックに掛けられるくらいの軽さなので、我が家でもリビングに飾っています。空間に締まりが出て、とても気に入っています。ゆらゆらと宙に浮かぶさまを見ていると、森の中で木々が木洩れ日とともに風に吹かれ、枝が揺れているような情景が浮かび、とても落ち着いた気持ちになります。
こちらのモビールをデザインしたのは二俣公一さん。福岡と東京を拠点に空間設計を軸とする「ケース・リアル (CASE-REAL)」と、プロダクトデザインに特化する「二俣スタジオ (KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)」を主宰しています。最近では、「イソップ」の店舗デザインを手がけたことでも有名で、国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がけています。
「今日のひとしな」コラムに取り上げておいてなんですが、これはあまり“語る”べき商品ではないなぁと思ってきました。冒頭のデザイナーの言葉「危うさと均衡がもたらす美しさ」、それに尽きると思います。
実際に見て、感じていただけたら嬉しいです。
ヴィンテージ、プロダクトデザイン、ハンドクラフトなど様々な分野から、食器、インテリア雑貨、日用品、オブジェ、キッズアイテム、ファッションなどジャンルレスに紹介。「今日のひとしな」の執筆は、主に大井美代さん。ときどき大井智史さんも登場。
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TEL:03-6805-0146
営業時間:12:00~19:00
定休日:水、木曜
http://www.hoek.jp
最新情報はInstagram「@hoek_shop」にて
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