毎日、器で変化をつける和の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2018.05.13

「ひねもすのたり」松原幸子さん vol.2


連載2回目は、我が家のメイン、和食の朝ごはんです。

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息子が納豆が好きなので、ご飯、具だくさんのお味噌汁、納豆、お漬物、果物が定番です。もし前日の残り物の常備菜などがあれば、それが加わります。

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週の5日くらいは同じパターンなのですが、日々少しづつ器で変化をさせています。私の作る料理は本当に家庭料理なので、難しいものはできないのですが「季節感」を大事にするように心がけています。朝ごはんで言えば、時間をかける代わりに、器で楽しんでいます。


IMG_4401飯碗は、夏場は磁器のようなスッキリしたもの、冬場は陶器の温かみのあるものに。私は職業柄、器の数は多いと思いますが、飯碗も春夏用と秋冬用2種で十分だと思います。副菜などには季節感のある小皿や豆皿を使います。
(磁器のもの……山藤恭子、堀仁憲、村田森、藤川法男)

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(陶器のもの……余宮隆、工藤和彦、村田森、川淵直樹、アンパル陶房)

お味噌汁の具には、なるべくその季節にしか食べられないものを使うようにしています。この季節には、4月ごろから、新タケノコ、うど・こごみ・うるい・ふき、行者ニンニクなどの山菜(山菜も八百屋さんで結構見かけます)、新じゃがいも、新たまねぎ、新キャベツ、あさりやしじみなどの貝類を中心に使います。今は一年中野菜が出回っていて、例えばなすなどはいつでも買えますが、夏にならないと買わないようにしています。息子は、お味噌汁が大好きなので、せっせと季節の食材を使い作ります。

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お味噌汁用のお椀もいくつもあるので、時々変えています。
(赤木明登、土田和茂、山本英明、角伊三郎、東日出夫、太田修嗣、福田敏夫)

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あとは、きゅうりが出回る春頃から、ぬか漬けをつけています。ぬか漬けは、ホーローの容器で冷蔵庫に入れています。冷蔵庫なら味が進まないので、少人数の家庭でもおいしく食べられます。少し古漬けになったら生姜の絞り汁をかけると、これもごはんがすすすみます。

最近読んだ料理研究家・土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」という本には、「具だくさんのお味噌汁だけでよい」とあり、とても共感しました。簡単でもいいから続けることが大事とあって、つくづくそうだなと思いますが、作り続けるにはいい器を使うというような楽しい仕掛けも必要ですとあり、我が意を得たりと思ったのでした。

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ついでに、私が器と料理のお手本にしてきた本もご紹介。「四季の味」(鎌倉書房)という季刊誌。もう40年近く前のものです。この中では、若手も含めて作家の器に料理を組み合わせていたのです。季刊誌なので、特に季節感が明確でした。

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これの別冊ともいうべき「一汁三菜」。この頃の森須滋郎さんという編集長の美意識に影響されました。今でも「四季の味」は、季節ごとにまとめて見返す、宝物です。

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今回は、使った飯碗にもほどこしてある「金継ぎ」についておススメしたいと思います。時々、「作家物の器を買ったけれど、割れたらもったいないから使っていない」という声を聞きます。それこそ、使っていないほうが、もったいないのに!

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もし割れてしまっても、金継ぎという方法があります。作家物の器は安いものではありませんが、せっせと使って楽しんで、もし欠けたり割れたら、この金継ぎがあるので安心して使ってください。

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今は、金継ぎ教室が色々な場所で開かれていますし、本格的な漆だけでするもの以外にも、パテを使って1日でできるワークショップなども開かれています。うちのお店でも金継ぎを受け付けているので、近くで教室やワークショップが見つからなかったらいらしてください。ただしうちのお店では、漆のみの本格的なものなので、時間はかかることをご承知おきください。

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漆の器に関しても同様に、「もったいないから使わない」という声をよく聞きます。それに対して漆作家の赤木明登さんは、「とにかく普段の生活に漆を使ってほしい。漆を塗るというのは、器を丈夫にするためなのだからどんどん使ってほしい」と、ピカピカの漆ではなく普段使いに合う仕上げのものを作っていますし、彼の活動が漆を少しずつ日常の生活に根付かせてきたと思います。漆もはげたら何度も塗り直してくださいます。

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作家物や漆の器は高価なものではありますが、日々毎日使って楽しんで、壊れたら修理もできるのであれば、決して高いものではないのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

 

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