オムライス作りの名脇役「ATECO(アテコ)」のキッチンツール

今日のひとしな
2018.09.28

 

もう随分と昔に他界してしまいましたが、祖母が焼く薄焼き卵は神の域でした。私の地元、長崎の郷土料理には「大村寿司」というものがあります。簡単に言うと、ちらし寿司を箱寿司にした様な感じのものなのですが、煮付けた椎茸やかんぴょう、かまぼこ、奈良漬けなどを細かく刻み、寿司桶の中にやや甘めの酢飯と重ねていく。最後に、層になる程ふんだんに錦糸卵を振りかけ、上から一気に押し仕上げる。それを5cm角程のサイズに切り分けていただく。その様な料理です。

祖母は親戚の集まりの際など、大勢で食卓を囲む特別な日のご馳走には、必ずこの「大村寿司」を、お米何合分も作ってくれていました。そうなれば、上にのせるその錦糸卵たるや、半端な量ではありません。

もはや、薄焼き卵製造工場になっていた台所でしたが、向こう側が透けて見えるんじゃないかという程の薄焼き卵を、祖母はいとも簡単に、ひらり、ひらりと作ってはお皿に重ねていくのです。

そうして積み上げられた薄焼き卵の集団を、シワの刻まれた細い腕で、同じく年季の入った木製のまな板に一気に移すと、まるでプログラミングでもされてるのではなかろうかという正確な手さばきで、トン、トン、トトトト、トン、トンとなんともリズミカルに錦糸卵に変えいくのでした。輝く程の美しい黄色一色の眩しい錦糸卵は、もはや芸術品。あの光景は子供の目にも非常にインパクトがあるもので、眩しい記憶でもあったのです。

一方私の作る薄焼き卵というと、足元にも及ばないわけですが、それでもこの「アテコ」のフレキシブルターナーのおかげで、破れない薄焼き卵が作れるようになりました。今では、なくてはならない我が家の定番品です。いい道具に出会うことは重要ですね(気持ちも大事ですが 笑)。何より料理が楽しくなります。

ちなみに、ちょっと塩気の効いた薄焼き卵を、炊きたてのご飯で握った塩むすびにふんわり巻いて食べるの、すごくおすすめですよ(これも実家の定番です)。

「アテコ」フレキシブルターナーと、パイスパチュラ

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HOEK(フーク)

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