「リサ ラーソン」のやさしく愛らしいオブジェたち

今日のひとしな
2018.09.29

~ HOEK(フーク)より 特別編vol.6 ~

9月の「今日のひとしな」は特別編。人気ショップ4軒が再登場して、新たにラインナップに加わったアイテムをリレー方式でご紹介してくださいます。今週は、東京・表参道「HOEK(フーク)」からお届け!

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今日のひとしなは、世界中を魅了する「LISA LARSON(リサ ラーソン)」のオブジェです。

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リサ ラーソンは、20世紀を代表するスウェーデンの陶芸家。今では日本でも、その愛らしいモチーフを多く目にすることのできる、たいへん人気のアーティストです。

そんなリサ ラーソン。私は以前、北欧家具・雑貨の店「haluta」に勤めていた頃から、その魅力にはまっています。現地で買いつけたヴィンテージアイテムが積まれた巨大なコンテナが、年に数回入ってくるのですが、毎回名作の家具たちの間に、リサ ラーソンの陶器のオブジェや陶板が数点紛れて入荷していたんです。

世界中の子供たちをコンセプトに、ユニセフの子供基金のためにデザインされたAll Varldens Barnシリーズ、リサ ラーソンの実の子供たちなどがモデルになっているLarsons Unger(ラーソンの子供達)シリーズ、動物をモチーフにしたものも多く、どれも目にした瞬間からうっとりと癒される愛らしさでした。

実はこれら現行品でもそうなのですが、リサ ラーソンの作品は一点一点職人が手書きで仕上げているので、まったく同じものは一つとして存在しないのが大きな特徴でもあります。だから、同じデザインでも、それぞれ微妙に表情や模様、裏に記された手書きサインも違うんです。特に顔は、目や口の描き方によって印象が大きく変わってくるので、口元の線の上がり具合で、微笑んでいるように見えるものもあれば、少し無愛想に見えるものもあったり。また、窯の焼成により、焼き色もそれぞれに異なっています。中には柄の位置や、柄自体が異なるなど、顕著に違いがあるものもあります。

作品に個性があるので、より愛着が持てそうですよね。つい選びたくなる、自分のそばに置きたくなる、そんな味わい溢れる作品なんです。

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そんなリサ ラーソン、現在「HOEK」でも、現行品とヴィンテージが少量ですが入荷しています。こちらは1990年代から製作が開始されたWordrobe(ワードローブ)シリーズの花瓶で、写真はドレスとベストのデザインのものです。この他にコート、セーター、スカートもあり、そのシリーズ名の通り、服の形をしています。ワードローブのデザインを花瓶に落とし込むセンスがリサらしく、とてもユニーク。人気のシリーズです。

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ベストのモチーフは、背が低いお花を飾るのに丁度いいサイズです。

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真上から見るとこのように、中が空洞になっています。

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底部分には一点一点タッチに違いがある、作家によるサインが。どのデザインもそれぞれ個性があり、脇役にとどまらず花をぐっと魅力あるものにしてくれます。オブジェとしての魅力もありますが、花を活けると、なお素敵です。北欧の優しい雰囲気がお好みな方にとってもおすすめです。

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お次は、VIKING WITH HORSE(海賊と馬)。こちらはリサ ラーソンの作品の中でも大きめのオブジェです。バイキングは、北欧スウェーデンに古くから伝わるモチーフで、重厚感のある特別な雰囲気を持った作品です。馬は伝統的な装飾がデザインされていて、海賊たちの盾にはゴールドで模様が入れられています。家族たちが楽しげに歌でも歌っているかのような作品です。この温かみある色彩とデザインが、リサ ラーソンの大きな特徴でもあります。

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こちらの底には、このようなサインが入っています。

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最後に、貴重なヴィンテージの作品、カップアンドソーサーをご紹介します。リサ ラーソンらしい配色で、とても素敵です。艶のある釉薬で仕上げられています。たっぷり入るので、ティーだけでなく、コーヒーカップとしてもおすすめです。

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世界中で愛されるリサ ラーソンの作品ですが、現在は長年のよき理解者である夫と健康的な生活をしながら、今もなお自宅にあるアトリエで新しい作品を手がけているそうです。そんなリサ ラーソンは、世界一可愛いことばかり考えているおばあちゃんとも言われているそうです。

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リサ ラーソン
1931年にスウェーデンに生を受ける。
1949年にヨーテボリ大学芸術学部デザイン工芸校へ入学。1954年、世界中で代表的なスカンジナヴィアンアートの代表格、スティグリンドベリに見出され、グスタフスベリ製陶所に入社。退社するまでの26年間、300を超える作品を手がけ、グスタフスベリの黄金期を代表する陶芸家の一人に。
1980年からフリーランスとして、ローゼンタール(ドイツ)、デューカ、オレーンス(スウェーデン)などの企業の作品に携わり、長年一緒に仕事をしていた同僚らと共にグスタフスベリ敷地内にKeramik Studion Gustavsberg(ケラミック・ステュディオン・グスタフスベリ)を立ち上げる。
2003年に退くまでに、自身の作品のリプロダクトを多く手がけ、同時に新たな作品の発表も行う。


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HOEK(フーク)

ヴィンテージ、プロダクトデザイン、ハンドクラフトなど様々な分野から、食器、インテリア雑貨、日用品、オブジェ、キッズアイテム、ファッションなどジャンルレスに紹介。「今日のひとしな」の執筆は、主に大井美代さん。ときどき大井智史さんも登場。

 

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