福岡彩子さんのオブジェのような小さな花器
~copse(コプス)より vol.6~
はじめて見たとき、凛とした佇まいに目が釘付けになりました。ふくよかなボディとは対象に、極限まで細く仕上げた口先。洗練を極めたフォルム感は、手を伸ばすのがためらわれるほど繊細です。
大阪・堺の陶芸家、福岡彩子さんの「small vase」は、手のひらほどの小さな器ですが存在感は絶大。ひとつ置くだけで場の空気を変える力を持っています。その時々の気持ちに合わせて制作するため、微妙に異なるフォルムも魅力で、色や形違いを少しずつ揃えたくなります。
以前、福岡さんの自宅兼工房にうかがったことがあります。広々としたリビングは壁一面のオープンシェルフが主役となり、アーティストとして活躍されたご両親の蔵書を含め、美術書がずらりと並んでいました。片隅には自身の作品やコレクションをディスプレイした器コーナーが。その美しい配列に、器はオブジェとなって住まいを彩る存在になりえるのだと教えられました。
独自に生み出したチタン釉の、陰影に富んだ質感も絶妙。現在、店内には花器のほか白いマグもいくつか揃っていますが、プレート類の作品は来年2月の企画展でご紹介させていただく予定で、こちらも楽しみです。
small vase 2500円(税抜)
small vase handle 2800円 (税抜)
マグ 3000円〜3500円(税抜)
器や日常着など、衣食住を提案する雑貨店。連載コラム執筆は、店主の小森知佳さん。
東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ1F
TEL:03-6913-1544
E-mail:info@copse.biz
営業時間:11:30~17:30
定休日:月~水曜(企画展中は無休)
http://www.copse.biz
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