和紙で作られた「pinciple of overprint」の縄文編みバッグ

今日のひとしな
2020.05.08

~ 「岡の」より vol.8 ~

ある日、お店に立ち寄って下さったお客さまで、風合いもデザインもなんとも気になるバッグをお持ちの方がいらっしゃいました。布のような、藤かごのような素材。そしてデザインもとても新鮮。透け感があって、おしゃれでありながら、野生味もあるような。
 
気になる。どうしても気になる。
 
思い切ってお声がけすると、なんと「私が作ったんです」とのこたえ。そして素材が和紙と伺ってさらにびっくり。
 
作り手である「pinciple of overprint(プリンシプル オブ オーバープリント)」の濱崎美祐紀さんに、和紙バッグの魅力とこのバッグが生まれるまでのお話をじっくりと伺いました。
 

和紙は繊維が長く丈夫で、時には下着の素材でも使われているほどなのだそう。今使っていらっしゃるバッグもすでに2年半ほど経っているそうですが、布や皮のバッグのような使用感と同じで、風合いは柔らかくなっていますが、簡単に切れるような感じはありません。

試しに端っこを力一杯引っ張ってみましたが、びくともしません。和紙って強いのですね!
 
 
2年半ほど使用したバッグ。新品の状態よりも柔らかな風合いが出ています。
 

 
こちらも同じく2年半ほど使用したバッグの持ち手部分。多少の毛羽立ちはありますが、ギュッと引っ張ってもしっかりとした強度は保ったまま。

「汚れたら水で手洗いすることもできますよ」と伺ってさらにびっくり。この独特な編み方も、縄文時代から今に続く伝統的な技法とのこと。濱崎さんの出身地である新潟の離島・粟島では、現在でもこの技法を使って魚介類や農作物を入れる日常的な道具が作られているとのこと。島の高齢の方たちは、当たり前のように手を動かし、今でも縄文から続くものづくりをしているそう。島では日常の風景の一つ。
 
 
濱崎さんの子供時代の風景。漁師のお父様が朝早く漁に出て、それを家族が浜で待っている。網から獲れた魚を外し、その後は食事をして、少し休んだら畑へ行き、日暮れまで働く……。こうして長い時代、営まれてきた変わらない暮らし。自然の恵みと厳しさの両方を受け入れ、日々絶ゆることなく続いてきた島の文化。

濱崎さんは島を出て、作る仕事に興味を持ってから、島の暮らしの貴重さ、自然や手仕事、文化に興味を持つようになったそうです。濱崎さんが話す島の話は彩が鮮やか。「とにかく話すのが大好き」という人間味あふれる人たちと、手仕事と、島の自然。雨上がりの緑がどれほど美しいか。森で採り放題の山菜がいかに多彩で美味しいか。
もの作りをする中で、一度は離れた故郷とつながり、自分の役割というものを感じるようになったそうです。
 
自分にしかできないこと、自分だからこそやらなければならないこと。
 
島の自然豊かな風景。そしてもう一つ、センスのよいお洋服をいつも手作りしてくれたお母さまの元で育った経験。島で育まれた二つの土台を持ち、服飾や音楽関係の仕事をしてきた濱崎さんだからこそ作れる形。
 
美しくかっこよく丈夫なもので、島の歴史につながり、次の世代につなげるものを作ること。
 
このバッグをかけている濱崎さんがとても素敵だったのは、覚悟あるものづくりをしている方だからだと、納得がいきました。自分の役割を知っている人は強い。今の時代の少し先をいくシャープさもありながら、優しさのあるバッグ。和紙の風合いがこのデザインにぴったりです。

カジュアルにも、そしてちょっと特別な日におしゃれをして出かけたいときにも。シーンを選ばず使って頂けるバッグです。
 
 
粟島で縄文から伝わる編み方で作られたバッグを街中でたくさんの方が使っているなんて、素敵な話です。ぜひお手にとって頂きたいです。
 
 

ベーシックバッグ
No,10601  幅37㎝ 高さ35㎝ マチ6㎝ 持ち手65㎝   27,500円(税込) ホワイト
 

横長バッグ
No,10605  幅41㎝ 高さ25㎝ マチ6㎝ 持ち手62㎝  19,800円(税込)ホワイト
 
「岡の」でのお取り扱いは上記2点のデザインとなりますが、「Principle of Overprint」のホームページでは様々なカラーとデザインのものが紹介されています。ぜひ覗いてみてください。メールアドレス:contact@pofo.jp
 
 
 
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