静けさの中にある美しさとしなやかさ、瀬川さんのうつわ

～「les trois entrepots（レ・トロワ・アントゥルプ）」より vol.20 ～

東京と千葉に工房を構え制作をしている瀬川辰馬さんの硫化銀彩をご紹介します。

瀬川さんの作品は作り込んだ質感が印象的です。中でも代表的な作品がこの硫化銀彩シリーズです。硫化銀彩とは、陶器の表面に純銀を焼きつけた後に、硫化処理を施し着彩したものです。コンポートは青色ですが、白、黄金色、深い紺碧などさまざまな色彩を表現することができるそうです。最初から古代の器のような意匠と経年変化で得られたような質感に魅了されます。

ひびの表情と錆びた金属を思わせる質感は静寂のなかに力強さを感じます。

光沢感のある銀彩とは違って、最初から落ち着いた風合いの硫化銀彩は銀を磨いたりせず、使い込むことでさらに味わい深いうつわへと育てていってください。

いずれも質感が際立つ、シンプルでシャープなフォルムに仕上げられています。来年の2月に瀬川さんの個展を開催します。どんな驚きをみせてくれるのか、今から私たちも楽しみにしています。常に新しい “何か” に挑み続ける瀬川さん。進化に目が離せません。

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写真：太田昌宏

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