「マルヤマウエア」の“おじカワ”なお皿

今日のひとしな
2020.06.23

~「les trois entrepots(レ・トロワ・アントゥルプ)」より vol.23 ~


木畑孝生さんは岡山県備前市で備前焼の渋い作品も作りながら、日常の生活に使える器を「マルヤマウエア」というブランド名で作っています。木幡さん曰く「マルヤマウエア」のコンセプトは 「おじさんがカワイイ器を作るとどうなるか?(=おじカワ)」だそう(笑)。


三島の印花(いんか)と呼ばれる技法で作られたプレートです。通常の三島はまだ土が柔らかい状態でスタンプを押して連続して模様を作り、凹んだ部分に白土を埋めこんでいくのですが、「マルヤマウエア」はその凹んだ部分に釉薬を流し込んで製作するので、はっきりとした柄にはならず柔らかな表情となっています。もちろんそのスタンプも彼が作っています。スタンプをわざと強く押したり、弱く押したりすることで、一枚一枚表情が違うプレートは選ぶのも楽しいです。


模様が浮かび上がったような陽刻プレート。三島も陽刻のプレートも備前の土をメインに使っています。それは鉄分や有機物が多く含まれるのでキレイになり過ぎず、どことなく渋味のある表情も感じられます。マルヤマウエアの魅力でもある可愛いだけでなく、落ち着いた深い味わい。これこそおじさんが作るカワイイ器ですね。


最近木畑さんのお気に入りの魚々子(ななこ)という技法で作られた鉢。先端が小さい輪状の刃になった道具で連続した柄を入れるのです。これは金工作品で使われる技法なのですが、それを陶芸に用いているそうです。この魚々子シリーズ、私たちもとても気に入っています。


「このお皿の表情がもっと○○になる方が好きだなぁ」 木畑さんに言うと、とても嬉しそうに「何かあれば言ってください。要求が高い方が燃えます」と応えてくれます。 常に進化をしている「マルヤマウエア」、今後も楽しみです。

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写真:太田昌宏

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les trois entrepots(レ・トロワ・アントゥルプ)

愛知県小牧市間々本町31-1
TEL:0568-44-1568
営業時間:12:00~19:00
定休日:月・火・水(展示会前後・夏季・年末年始の休みについてはHP/SNSをご確認ください)
http://shop.lt-entrepots.com
Instagram:@lestroisentrepots 

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