乾漆の特性を活かして創造する作家・鎌田克慈さん
~「les trois entrepots(レ・トロワ・アントゥルプ)」より vol.29 ~
乾漆という言葉をご存じでしょうか? 一般的な漆塗りは木地に漆を塗り重ねるのですが、乾漆は石膏や木で出来た型を使い麻布などを漆のりで貼り重ねて素地を作る技法です。古くは一部の仏像は乾漆で作られていました。型さえ作ればいろいろな形を表現できる自由度の高い技法なのですが、乾漆で器を作っている作家はほとんどおらず、鎌田克慈さんは稀有な存在です。
とても美しい椀です。「ぜひ最初に飯椀を入手して欲しい」と鎌田さんは言います。毎日、椀を使ってもらうことで乾漆のよさを知って欲しいそうです。私たちも毎朝使っていますが、美しくて軽い椀によそったご飯はそれだけでおいしく感じます。
「乾漆をもっとカジュアルに」ということで、鎌田さんの最近のイチオシが布目を活かした“布目シリーズ”。ご覧のように麻布の布目が薄っすらと浮き上がっているのが特徴です。布目を残すために塗の回数が通常よりも少なく、高台もなくすことで作業を減らし、手に取りやすい価格で乾漆の器を多くの人に使っていただけたらという思いも込められています。
鎌田さんの作品の中でも人気の折敷。ランチョンマットの感覚で使っていただきたいです。
「布に漆」と聞くと強度に不安を感じるかもしれませんが、布に柔軟性があるため、多少のことでは傷もつきにくく、割れにくく、丈夫です。いろいろな器がありますので、お気に入りを見つけて、ぜひ普段使いにしてください。
また少し先になりますが、2021年11月に鎌田克慈さん、永島義教さんの二人展を予定していますので、楽しみにしていてくださいね。
写真:太田昌宏
愛知県小牧市間々本町31-1
TEL:0568-44-1568
営業時間:12:00~19:00
定休日:月・火・水(展示会前後・夏季・年末年始の休みについてはHP/SNSをご確認ください)
http://shop.lt-entrepots.com
Instagram:@lestroisentrepots
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