日本の住まいにもよく合う「ERCOL(アーコール)」のヴィンテージ家具vol.3
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
みなさんこんにちは。インテリアショップ「ANTRY(アントリー)」の松永です。
第3回の本日も、新生活の方へおすすめしたい当店の家具や雑貨をご紹介します。
今日は「ERCOL(アーコール)」のヴィンテージ家具について。お付き合いいただけると嬉しいです。
「ERCOL」とは?
「アーコール」という言葉を聞いた事はあるけれど…という方も多いのではないでしょうか?
ERCOL(アーコール)はルシアン・アーコラーニ氏によって1920年に創業された、イギリスの家具メーカーの名前です。昨年創業100周年を迎えた老舗のカンパニーです。
「快適性・機能性・デザイン性」を兼ね備えた完璧なバランス、それがERCOLの家具の魅力。どんなスタイルでも、どこに置いても違和感なくインテリアに馴染むヴィンテージERCOLは、当店でも10年以上お取り扱している定番の商品です。
そして何年も変わらず人気なのが「ドロップリーフテーブル」と「ウインザーチェア」です。
私も新居を構えた際には長年の憧れだったこのテーブルとチェアを真っ先にお迎えして大切に使っています。ANTRYスタッフの愛用率もダントツです。
真新しい空間にもヴィンテージ家具が入ることで時間の流れが穏やかになり、空間がぐっと豊かになる気がします。当店では主に、1960~1970年代のものを数多く取り揃えています。
現行品とヴィンテージの違い
現在でもイギリス国内の工場で熟練した職人によって丁寧に加工・組立がされているERCOLの家具。それらも本当に素晴らしいのですが、ヴィンテージ品にはやはり何物にも代えがたい魅力があります。
現行品とヴィンテージ、その最大の違いは材質。
ヴィンテージERCOLはイングリッシュエルム材を中心に製造されていましたが、現在はイングリッシュエルム材は存在しません。イギリス産の「イングリッシュエルム」は、1970年代に蔓延した木の病により壊滅してしまったのです。
新品はオークやアッシュなどの木材そのままの状態なので清潔感があり白っぽく、どことなくマットな質感。
それとは逆に、ヴィンテージは日焼けをしたり、人の手やメンテナンスの油脂が染み込むことで、ツヤのある深い色合いに変化します。年季が入ることで味わいや温かみが増すのです。長い年月を経てなお美しくなり続ける家具と共に暮らす。
とても素敵なことだと思います。
使い方を選べるドロップリーフテーブル
ドロップリーフテーブルは巷ではバタフライテーブルという名前でも親しまれています。両端を折り畳むこともでき、折り畳んだ面を壁に付ければ、マンション住まいの方などでもコンパクトに楽しんでもらえます。
いつもは壁に付けておき、来客時には広げてお部屋の中央に、などシチュエーション毎に使い分けられるのは嬉しいですね。
イングリッシュエルムの美しい木目は卓上の風景をとても豊かにしてくれます。我が家では食卓としてだけではなく作業をしたり子どもが勉強をしたりと、家族がいつも自然にテーブルへと集います。
美しく機能性に優れたウィンザーチェア
創業者のルシアンはビジネスマンとして事業展開をするかたわら、家具職人としては英国の伝統的な曲木椅子「ウィンザーチェア」の大量生産に成功した多大な功績を持つ人物です。
ウィンザーチェアとは頑丈な脚部や座枠がなく、座りやすいザグリ加工の座面に細いスポーク(背もたれ)を直接差し込んでいるのが特徴の、木製肘掛け椅子。17世紀後半、イギリスの職人たちが製作を始めました。それらを世界に普及させたのがルシアンです。洗練されたデザインと耐久性から、世界中の人を今もなお魅了し続けていて、ERCOLの代名詞にもなっています。
沢山の種類があるのですが、滑らかな木の風合いと温かみ、素朴だけど洗練されたデザインは全てのチェアに共通しています。一脚あるだけで空間の雰囲気を変えてしまう魅力に溢れているんです。
一脚からでも、MIXしても楽しめるチェア
窓辺・キッチン・寝室などそこに置いておくだけで絵になります。私もお花を飾る台にしたり、友人が来た時には荷物を置いてもらったりと、家中を持ち運んで使っています。出しっぱなしでも邪魔などころか可愛くて、日々色々な場所で大活躍です。
デザインや色味が違っても、なぜか統一感があって合わせやすいのもERCOLチェアの魅力。お好きなデザインを少しずつ買い揃えていくのも楽しいです。今お持ちのチェアとMIXしてもきっと馴染んでくれますよ。
長時間の座り心地も考慮して作られていますので、ダイニングチェアとしても、デスクチェアとしてもお使いいただけます。何十年も世界中で愛され続けているのも納得の素晴らしさです。
どこに置いても、どのように使っても便利で美しいERCOLの家具。ヴィンテージ初心者の方も、難しそうとお悩みの方も、まずはお気に入りの一脚を見つけてインテリアの変化を楽しんでみてくださいね。
メンテナンスをして経年変化を楽しみながら、さらに愛着を深めていただけます。メンテナンスについて詳しくはこちら。
当店では「ANTRY和泉店」とヴィンテージ専門サイト「SCOUT VINTAGE」でお取り扱いしています。ぜひご自分だけのヴィンテージを探してみてくださいね。
photo:chihiro kaikame
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