フラワースタイリストに教わる花と器の最良の組み合わせ(3)
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
住まいをシンプルに整えた結果、花を飾る楽しみに目覚めたという話を最近よく耳にします。花のある暮らしを楽しむには花に合った花器を選ぶことも大切。色、形、素材もさまざまな器と季節の花の最良の関係をフラワースタイリストの増田由希子さんに教わりました。
スズラン × ビーカー・紙袋
ベル形の小さな花と対照的に大地に深くもぐる太い根をもつスズラン。
ビーカーでその力強さを楽しんで
小さく白いベル形の花とは対照的に、スズランの根は驚くほど太くしっかりしています。その力強さも併せて眺めたいから、根付きのものが手に入ると、ガラスの器に飾ります。私がよく使うのがシャーレやビーカー、フラスコなどの実験器具。目盛り付きのビーカーに根付きのスズランをいけると、土の中をのぞいているようで楽しいんです。切り花で手に入れたときは、おしゃれな紙袋に落としを入れて、アレンジするのもおすすめです。
切り花は花と葉をバラして
スズランは葉っぱの量が多いので、切り花で飾るときはハサミで葉と花を切り分けます。花が目立つよう束にしてから、葉を 添えるとバランスよく。
ビバーナム × ピッチャー
花もちがよく長く楽しめるビバーナム。
背の高い花器に枝垂れて咲くように飾って
淡い緑の手まりのような花をいくつもつけ、その重みで頭を垂れたような姿で咲くビバーナム。飾るときはその風情をイメージして。
花に重みがあるので、花器はピッチャーなど高さのあるものを選びます。すべて同じ長さに切らず、長さを変えて高低差をつけると枝垂れて咲いているような雰囲気が出せます。ビバーナムは開ききると花が白っぽく変化するので、買うときは緑の濃いものを選ぶようにすると、長く楽しめますよ。
茎の断面を十字にカット
ビバーナムは水揚げがあまりよくありません。飾る前に茎を斜めにカットし、十字に切り込みを入れて吸水面を広げてあげる と長もちします。
増田由希子さん
フラワースタイリスト。NHK文化センターで講師を務めるほか、『花1本から素敵に飾るはじめてのフラワーレッスン』(家の光協会刊)『花とお菓子』(立東舎刊)など著書も多数。
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