【質のいい食材と道具】暮らしを楽しむ人のキッチンをお手本に④(前編)

Comehome!
2025.10.07

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

「台所」は、そこに立つ人の生き方が反映される場所です。自分にとってどんな場所か、そこに何を求めているのか、ときには模索してみるのもいいもの。これまでの記事で、そのヒントになるような台所時間が上手な人3名のストーリーをお届けしました。今回からは、良い食材や道具選びにこだわる田中さんをご紹介します。長年かけて集めた道具のていねいな扱いや、愛着が伝わってくる台所です。

この記事は、Come home! vol.69より抜粋しています。

case 04 年月を経て 道具とともに育つキッチン

心配事があって眠れないときは
キッチンに立って
掃除や配置替えを始めちゃいます
好きな道具に囲まれていると
気分が明るく切り替わるから
〈田中和恵さん〉

実家では、祖父母と両親と姉の6人暮らしでした。祖母が体にいい「粗食」にこだわっていたので、食事は質のいい食材を使った和食が中心。その影響で、わが家の基本的な食材は、オーガニックの基準が厳しいといわれる「生活クラブ生協」から取り寄せています。


食べ物が体をつくるから
シンプルで体にいい食事を


本日のランチは、せいろで蒸した緑黄色野菜とハムサンド。野菜本来の味を楽しむため、味つけはオリーブオイルと岩塩だけ。



「生活クラブ生協」の食材は、体にいい食事を作るための強い味方。

とはいっても、いくら食材がよくてもそれだけではおいしい料理はできないから、道具にもこだわっています。たとえば、中村銅器製作所が作る銅製の行平鍋は、鉄やステンレスにくらべ、熱が均等に伝わるので、煮物の味にムラが出ません。卵焼き器も、最初から焦げつかずにきれいに作れるんです。職人さんが一つひとつ手作りをした道具って、素材がもつ本来のうまみを引き出すことを、ちゃんと考えているんだなあって、感激しました。 いい道具を使えば、料理のテンションが上がります。また、作家ものの茶碗も、わが家の食卓になくてはならないもの。いつもの粗食に特別感を出してくれ、料理をいっそうおいしそうに見せてくれるんです。

心がはずむものをふだん使いに


オンリーワンの器で、毎日の食卓をおしゃれに演出。「イイダ・ウッドターニング」のお椀は、一つひとつ木目の模様が違います。



馬場勝文さんのお皿は、二つと同じ形のものがありません。

 

洗い物をする時間が好きです


お気に入りの器がきれいになって、水きりかごにすっぽり納まるさまを見ていると、達成感があって楽しいんです。

 

道具は眺めよく配置します


菜ばしやスパチュラ、まな板などのよく使う道具だけをコンロの脇にまとめました。使い勝手を考え、作業スペースはいつもすっきり。



使用頻度高めのフライパンやおたまは、レンジフードに引っかけて見せる収納に。



立ててしまいづらい道具類は、 カトラリーケースを使い、作業スペース下の引き出しに、ざっくりしまっています。

若いころは、安い代用品で妥協することもありましたが、味の違いを知ってからは、少し値は張ってもいい道具を買うように。ここにある道具や器は、 20年かけてこつこつと集めてきたものばかり。好きなものに囲まれていると、ほっとします。だから、眠れない夜や考え事をしたいときは、ここにやって来て掃除したり模様がえしたり。キッチンは私に元気をくれる癒やしの場所なんです。

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