自然素材だからこその個性を愉しむ。天然木の風合いを生かした家具づくり

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

今月のデイリー連載「令和の家具事典」は、岡山の老舗家具メーカーから生まれた人気家具ブランド「モモ ナチュラル」が担当。トレンドに左右されない普遍的なデザインが魅力で、長く愛用できる家具が揃っています。

暮らしのなかの身近な存在として

モモ ナチュラルでは、若い世代のお客さまにも、暮らしの中の身近な存在として、本物の木を感じられる家具を使ってもらいたいと考えています。ブランドスタート当初より使っているラジアータパイン、新しい雰囲気をつくるために加わったアメリカンアルダーそして、力強い木の雰囲気を加えるために取り入れたレッドオーク、の3種の樹種の天然木を使用して家具づくりを行っています。

環境に負荷のないニュージーランド産のラジアータパイン材

パイン材は、モモ ナチュラルが一番最初から使っている木材で、まさにモモ ナチュラルの歴史そのもの。
50種類以上あるパイン材の中で、モモ ナチュラルが選んだのは25~30年サイクルで計画的に植林されている、環境にも負担の少ないニュージーランド産のラジアータパイン。北欧パインや欧州アカマツに比べると暖地に生息するため、年輪が広く、ヤニが少ないのが特徴です。そして、何よりもその優しい色合いが魅力でした。また、最大200%近い含水率は加工されたあとでもみずみずしさを感じさせ、透明感のある家具に仕上がるのも魅力です。

モモ ナチュラルではその最大の特徴であるみずみずしい質感を活かすため、いくつもの工程を重ね、また、塗装をできる限り薄く、艶を消したウレタン塗装を行っています。

木肌の淡い色合いが変化し、艶のある美しい飴色の木肌が愉しめるようになるパイン材。節がある部分は強度低下につながりやすく、ヤニが出やすいことから、長く使用してもらえるよう、節を取り除いた状態で家具を製作しています。使うほどに自然由来の美しく、絶妙な深みが増していきます。パイン材がアンティークパインとして親しまれるのもこの”経年美化”があるからです。

最高品質のアルダー材を使用

2007年、モモ ナチュラルは新しい雰囲気を作るため、素朴でありながらも、上質な存在感と赤褐色の落ち着いた色合い、そしてなめらかな触り心地から、アルダー材を取り入れました。

アルダー材は建材からなど多岐に活用されることから12段階のグレードに選別されていますが、モモ ナチュラルではスーペリオールと位置づけられる最高品質のアルダー材を使用しています。その割合は全体のわずか7～8％程となります。アルダーの魅力である色味となめらかな肌触りを最高の状態で活かすため、モモ ナチュラルでは無色のオイルを浸透させるオイル塗装を行っています。

家具の表面に塗膜を貼るウレタン塗装とは異なり、オイルを染み込ませることで家具を仕上げるオイル塗装。表面のざらつきを完全になくすため、研磨の工程の精密さが必要になります。工場では、あらかた機械で加工したのち、全て人の手でサンディングを行い、ざらつきがないかのチェックを行います。

また、使いながら自分でメンテナンスができるのもオイル塗装ならでは。年月とともに生まれる傷や汚れもやすりをかけて落とすことができます。

男性からも人気の高いオーク材

やさしく、やわらかいモモ ナチュラルのイメージに、”強さ”という新しい趣を定着させた木材。オーク材の登場により、女性のお客様中心だったお客様層もファミリーや男性の方など多方面に広がりました。オーク材の特徴は、硬い木肌とトラの斑紋のように見えることから虎斑（とらふ）と呼ばれるはっきりとした木目。

醸し出される深みとクラシカルな印象から一般的な取り扱いも多く、オーク材の家具を探される方や好まれる方も多い木材です。モモ ナチュラルでは、個性豊かなオーク材を無駄なく生かすために、オークの木目や質感を魅力的に引き立てるオイル塗装で仕上げたり、木目のバランスを見て美しく組み合わせたり、一つの家具でも部位によって使用材や厚みなどを変えたり。“木の個性”を“使う人の個性”に合わせて楽しんでもらうために、家具の用途とデザインに応じて木材の使い方や組み合わせ方に変化をつけています。

板目と柾目  —切り出し方で変わる表情—

オーク材の魅力を最大限に引き出すために、モモ ナチュラルでは家具のデザインに応じて二種類の木目を使い分けています。ダイニングテーブルの一部の天板は、板目・柾目を選ぶことも可能です。年輪に対して水平方向に切り出される「板目」はオークらしい豊かな表情と力強さが、年輪に対して垂直方向に切り出される「柾目」は真っ直ぐと伸びる美しい木目が特徴です。

木の風合いを生かしたオイル塗装仕上げ

モモ ナチュラルでは木の質感を活かすため、オイル塗装で家具を仕上げています。自然素材から作った天然のオイルを木に繰り返し染み込ませ、仕上げる”オイル塗装”。色、手触り、匂いなど木が本来もつ風合いをそのままに、木目の美しさを愉しむことができる塗装方法です。

オイル塗装の大きなメリットは、日々の使用でついた傷やシミを、ご自宅でメンテナンスできること。お子様のお絵描きでついてしまったペン跡も簡単に目立たなくでき、綺麗な状態で長く使うことが出来ます。

また、共に過ごした時間の証として、ついた傷や汚れを残し、家具を味わい深くできるのもオイル塗装の魅力の一つ。オイルのしみ込み方で表情の変化を愉しむことができます。表面に塗膜を作らない塗装のため、熱いお鍋や濡れたコップなどを置くときは、鍋敷きやコースターをご使用いただくことで輪染みなどを防ぐことができます。

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