【マイホームの頭金】Q. 多いことはいいこと? A. はい。でも住宅以外にかかるお金のことも忘れずに!
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
「マイホームを建てたい!」。そう決意したら、さっそく次のステップへ。でも、何からスタートしたらいい? 誰に相談すべき? など、分からないことばかりですよね。やることが多い家づくりをスムーズに進めるためには、前もってある程度の知識を蓄えておくことが大切です。そこで、家づくりをはじめるにあたり、最低限知っておきたい基本をご紹介。マイホームを計画し始めたある家族とともに、その流れを確認していきましょう!
この物語の主人公は東京に暮らすOさん家族
都内下町エリアの賃貸マンションに暮らす4人家族。「いつかはマイホームを」と頭にはありつつも、仕事や子育てなどで落ち着いて考える余裕がなく、時間だけが過ぎていきました。けれど、2人目の誕生を機に、いよいよ本格的に家づくりが始動!
前回、お金のプロである内田さんにマイホーム資金の目安を教えてもらったOさん夫婦。でも、住宅のお金はまだまだ分からないことも多いそう。そこで、内田さんに、住宅にまつわるお金の疑問も聞いてみました。
頭金はどのくらい用意すればいい?
パパ:前回のお話で、頭金はあるほうがいい、というは分かりました。多いほど借入額も減るので、なるべくたくさん用意したほうがいいんですか?
内田さん:頭金の目安は住宅価格(土地代+建築費)の2~3割用意するのが基本です。利息負担を減らすには借入額を減らすことは効果的ですし、「フラット35」の場合、頭金の有無で金利が変わります。ただ、ライフイベントを控えているなどライフプランによっては、頭金を増やすことにリスクがあるケースもあります。目安となる計算式は以下のとおりです。
頭金の目安額=貯蓄額+贈与額-10年以内に必要なお金-緊急生活費-諸経費
パパ:その計算で言うと、わが家だと1000万円くらいかな。建てた後のことを考えると、ある程度残しておかないといけないんですね。ちなみにですが、さすが頭金ゼロってことはあり得ないですよね?
内田さん:いえ、そういう方もいらっしゃいます。ただ、借入金額が多いほど、金利も多く支払うため、トータルに大きな差が出ます。金融広報中央委員会の「知るぽると」に「らくらくシミュレーション」というのがあるので、そちらでそのくらい差が出るか、試してみるのもおすすめです。
パパ:おー、それはいいですね。さっそく試してみます!
建物価格以外にお金はかかる?
ママ:私からも聞いてみたかったことがあるんです。住宅の広告とかで、「建物価格●●万円!」とか見るんですけど、これ以外にもお金は必要なんですか?
内田さん:はい、建物価格以外にもお金は必要です。建物価格は本体工事費とも言われ全体の70~80%を占めるものです。それ以外に、付帯工事費が15~20%、諸費用が5~10%がかかります。建築会社によっては設計料が必要な場合もあり、目安金額は(本体工事費+付帯工事費)×10~15%です。また、土地も購入される場合ですと、土地代のほかに、仲介手数料や土地調査費が発生します。
パパ:なんだかめまいがしてきた…。そんなにいろいろ必要なんですね。大丈夫かな?
ママ:ん~、現実を知ると、たしかに心配になってきたね。でも、なんとかなりそうな気がするよ。
パパ:さすが、楽観的。どこからその自信がわいてくんだろう。
内田さん:何にどのくらい費用がかかるかは大切なことですので、見積もりに書かれている費用の内訳を確認したり、お金のことをちゃんと説明してくれる工務店やハウスメーカーを見つけたほうがいいと思います。
illustration:シホ
Profile
FPオフィスツクル代表 内田英子さん
ファイナンシャルプランナー。CFP、FP1級、消費生活アドバイザー、消費生活相談員、住宅ローンアドバイザー。教育費から保険、住宅、資産形成、キャリア、相続まで幅広い視点で家計を診る家計の総合医。証券会社・保険ショップ勤務、専業主婦を経てひとり起業。ライフワークは金融教育。ライフプランシミュレーションを駆使した、心を埋もれさせないファイナンシャルプランニングが強み。
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