シンプルで美しい鏡で、家族のご機嫌が生まれますように

令和の家具事典
2024.05.15

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


ICCA(イッカ)」が取り扱う家具は、材質や造り、デザイン、様々な視点から選りすぐった大正時代の逸品たち。そこには、当時の名もなき名人たちの美意識や思いやりが詰まっています。

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No.14
「職人仕立てのMIRROR」

 

品質の高さとは


高い品質とは、いったいどのようなものを言うのか、ICCAの工房でよく話すテーマです。いろいろな視点はあるものの、ひとつには品質の高さとは、造り手の視座の高さでもあるのではないか、ということです。言葉を変えると、どこまで想像力を働かせることができるのかということ。

実際にお客様が、家具を使った時に、どう感じるのか。
たとえば、ちょっとしたササクレで、手を傷つけてしまったらどう思うのか。
数年を経て、家具が垂れてきてしまったら。。
袴の虫食い箇所が重みで少しずつヘタってきて、家具が傾いてしまったら。。
そのように想像を働かせて、処置を決めてゆく。

その先に、品質の高まりがあるのではないかというのが、ICCAの品質に対する考え方です。

 

貴重な装飾面付きの廃材


そのような考え方で家具を選定、修繕しているためか、自然と家具を診断する目もどんどん厳しくなっています。

そのため、残念ながら修繕を断念する家具であったり、取り替えてしまう材料であったり、取り除いてしまう材料などが多く出てくる。

そして、あまりにも損傷が激しいものに関しては、仕舞いをつけてあげる。
まだ、使えそうな部材はできる限り残し、使う努力をするというのがICCAの古材に対するスタンスです。

そんな廃材の中でも、とりわけ貴重なものがあります。

それは、装飾面のある廃材です。

というのも、古材から新たに装飾面をつくろうとすると、材を削り出すことになり、古材とはいえ、新しい雰囲気の仕上がりになります。一方で装飾面が取られている状態で経年したものはアンティークの表情がそのまま残っています。

また、家具の装飾面がある部分は、なかなか廃材になるケースが少ないため、
部材として残るということ自体が稀なのです。

 

廃材をMIRRORに仕立てる


そんな貴重な装飾面付きの廃材。
美しいその意匠を最大限に活かすには、と考えた末、ミラーにしてみました。
四方装飾面が回っていますので、とても見どころのあるフレームになります。

サイズは、ちょっと玄関先で身だしなみを整えたい時に、使えるような縦長に。
玄関で家族のご機嫌が生まれますように、そんな願いをこめて製作しました。

「職人仕立てのMIRROR」
SIZE:W19.9cm×T2cm×H100cm
MATERIAL:楢材

 

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千葉県香取市北3-1-17
TEL:047-877-9087
HP:https://icca-life.com/
Instagram:@icca_life
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