2つの家具をひとつにして完成した、世界でひとつの飾り棚

令和の家具事典
2024.05.24

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


ICCA(イッカ)」が取り扱う家具は、材質や造り、デザイン、様々な視点から選りすぐった大正時代の逸品たち。そこには、当時の名もなき名人たちの美意識や思いやりが詰まっています。

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No.23
「気高き飾り棚」

 

2つの家具を1つに


上下2段の飾り棚。中央に引き出しが備わっている珍しいこの構成は、実は、異なる2つの家具を1つにしたことによって生まれた珍しい形です。

もともとは、それぞれ床置きの腰高サイズの棚でした。
奥行きは異なるものの、横幅のサイズがピッタリ同じでしたので、試しに重ねてみたところ、非常に魅力的なデザイン、かつ機能的な構成になることに気が付きました。

この2つの家具は1つになることで、よりよくなる。
そんな確信のもと、1つの家具へ。

 

一度バラバラにし
使いやすく再構成する


この家具は、パーツごとに一度分解し、再構成して造りました。

この棚のユニークな特徴のひとつである引き出しは、コンパクトなサイズ感。
食器棚として使用する場合カトラリーなどの収納に最適です。

カトラリーは日常的によく使う道具ですので、引き出しが中央にあったほうが、日々の体への負担が少なくなり使いやすい。そのように考えて、引き出しのある棚の方を上段へ。最上部の装飾は、もともと下段の棚についていましたが、付け替えました。

また、そうなると下段にガラス戸が来て、足が当たりやすくなりますので、少し高い袴を履かせることで、ガラスの破損リスクを軽減し、高さが出たことによって使いやすくなっています。

 

互いに引き立て合う素材の組み合わせ


木は無数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。
これまで様々なアンティーク和家具を見てきた中で、互いにその魅力を引き立て合う、相性の良い材種の組み合わせがあると、ICCAでは考えるようになりました。

その相性のよい組み合わせの1つが、「檜(ひのき)材」×「欅(けやき)材」。

もっとも上品さが際立つ組み合わせです。
特にフレームなどの構造に控えめな木目、ソフトな触り心地をもつ檜材、幕板や引き出しなどにダイナミックな木目を持つ欅材、という使い方がもっとも理想的。

この飾り棚は、まさにその組み合わせと、使い方をした、材料使いのお手本のような構成をしています。

フレームはヒノキ材、控えめな面取り意匠でシンプルにまとめ、中央の4杯の引き出しは見どころのある木目を持つ欅材が採用されています。

「気高き飾り棚」
SIZE:W100.8cm×D48.7cm×H185.5cm
MATERIAL:檜材、欅材

 

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