【北欧の照明】「ルイス ポールセン」上質な明かりのヒミツを徹底解説

令和の家具事典
2024.06.14

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


「これでいい」ではなく「これがいい」があるお店。「CONNECT(コネクト)」は、シンプルで心地よい暮らしをご提案しています。作り手とお客様の心地良い暮らしの架け橋になれるよう情報発信をさせていただいています。

 

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No.14
Louis Poulsen(ルイス ポールセン)PH 5

 

インテリアを変える第一歩は照明から

CONNECTでは、インテリアの中では一番と言っていいほど照明が重要と考えています。
冬の日照時間が短く、暗い時期が長く続く北欧には、心地よいあかりを大切にする文化が根付いています。
「近代照明の父」と呼ばれ、北欧照明のアイコニック的存在「PH 5」の生みの親、ポール・ヘニングセンは、あかりについてこう語っています。

“家具、生活様式、ラグ、どれも重要ではない。あかりの配置に比べたら、ささいなことだ。”

「あかりの配置」とはどういうことなのか、照明をどう変えるとお部屋がどんな風に変わるのか、また、どんなライトを使えばいいのか、まずは次の写真をご覧ください。


上の写真は、ひと続きになっているリビングダイニングの天井に、シーリングライトをひとつ付けたお部屋です。
「シーリングライト」とは天井に据え付ける器具のことで、日本の家庭に広く普及しているライトです。
天井から降り注ぐ白い光でお部屋全体を照らす、という意味では効率がよいのですが、壁や床までも一気に照らしているため、ライトの真下だけがとても明るく(テーブルやチェアの影が濃いのがわかります)、ソファ側までは光が届かず薄暗くなっていますよね。

また、壁面に陰影がなく、すっきりと片付いているのに、なんとなく垢ぬけない印象を受けます。

 

次は、同じ部屋、同じ家具の配置であかりを分散させたものです。


これは、必要な場所にふさわしいあかりを配置する、北欧の照明の使い方に基づいたもの。ダイニングテーブル上を照らすためのペンダントライト、チェアに座ってくつろぐ際、目線の先の壁を柔らかく照らすテーブルライト(間接照明)、ソファで読書をするときに手元を照らすフロアライト、と、暮らしの中で必要と感じる場所を照らしています。

お部屋の全部を照らす必要はなく、上質な柔らかい光をほしい場所に配置する。
壁や床に明るいところとちょっと暗いところができますが、この光と影が生み出すグラデーションがメリハリとなり、奥行きを感じられる落ち着いた空間になります。

 

「上質な光」とは? 老舗照明メーカーの代表作を紐解く


あかりは分散させて、いるところに置いていけばいいのかな、ということはなんとなくおわかりいただけましたか?
しかし、置くあかりはなんでもいいというわけではありません。
使っていてまぶしくないことは絶対条件で、照らしたいところをきちんと明るくしてくれ、かつ周辺に広がる光が柔らかくて、美しい陰影をつくってくれるとなおよいです。
器具をデザインだけで選んでしまうと、電球が丸見えでまぶしく感じてしまったり、必要なところを明るく照らしてくれないということもおこりえます。

では、どういうライトを選ぶべきなのか?
そこで、冒頭で登場した「近代照明の父」と呼ばれるポール・ヘニングセンの代表作、「PH 5(ピーエイチ ファイブ)」をご紹介します。
PH 5のおすすめ設置場所はダイニングテーブル上。
テーブル上に吊ることでどんなダイニング空間になるのか、まずはPH 5の構造からお伝えします。

 

明るい、でもまぶしくない! PH 5のシェードの秘密

PH 5はデンマークの老舗照明メーカー、Louis Poulsen(ルイスポールセン)から販売されているペンダントライトです。(デザイン:ポール・ヘニングセン)
1958年に発表され、60年以上経った今でも世界中で使い続けられています。
ロングセラーの理由は「手元をちゃんと照らしつつまぶしさを感じさせない」優れたシェードの構造にありました。

PH 5のシェードは電球を包み込むような形に設計されています。
「対数螺旋」という巻貝のカーブが持つ角度を応用することにより、電球のまぶしさを隠しながら柔らかい光を感じられるということを実現させています。


▲ポール・へニングセンが描いた設計図

シェードのどこに光が当たっても同じ角度で反射するという性質を持つのが「対数螺旋」。
電球から放たれた光は等しい角度で反射しながらお互いのシェードを照らし合い、外にも光を広げていくという構造なのです。


シェードに反射した光は非常に繊細なグラデーションがかかります。
等しい角度で反射するからこそ、拡散していく光がとてもやわらかいんです。


ちなみに、テーブルの上に吊る場合は、テーブルからPH 5の下端までが60cm~70cmの高さがおすすめです。
あまりに高く吊りすぎるとテーブル面まで明るい光が届かず、手元が暗くなってしまうからです。

 

光と影の黄金比

緻密に計算されたシェードの構造により、上質な光を生み出すPH 5。
光が放出されるのは主に下方向ですが、上方向や横にも柔らかい光が広がります。
それぞれの方向から放たれる光には強弱があり、その明暗差がメリハリとなって、周辺を均一に明るく照らすライトよりもぐっと雰囲気がよくなり雰囲気の良い空間をつくりあげてくれます。
自然の景色の中で、木や家の影が黄昏の空を引き立てるように、光を美しく感じるためには影が程よく存在することも必要不可欠ということなんです。

下の写真の壁面にご着目ください。下方向が一番明るく、上方向や横はほんのり照らすくらいの明るさです。


まぶしさを抑え、手元はしっかりと照らし、ライトから出る光の強弱をコントロールして雰囲気のよい空間を作る、まさに「ペンダントライトの名作」の呼び名にふさわしい照明なのです。

CONNECTは空間を豊かにするインテリアの重要性を理解して、建築を含めた空間のご提案をしています。お取り扱いしているアイテムは照明を含め、シンプルで心地良く、ライフスタイルが変わっても長く愛用できるものばかりです。皆さまの心地よい、理想の空間をつくるお手伝いができれば幸いです。

「ルイス ポールセンPH 5」には、今回ご紹介した「クラシック・ホワイト」のほかにもたくさんの種類がございます。ほかのお色もぜひご覧ください。

 

Louis Poulsen(ルイス ポールセン)PH 5
サイズ:φ500×H267(約mm)
全長:1910(約mm)
質量: 1.8kg
同梱ランプ:E26 LED電球×1(白熱電球 100W相当)

 

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