【北欧の名作椅子】後ろから抱きしめられているような心地よさ ハンス.Jウェグナーの「ベアチェア」

令和の家具事典
2024.06.21

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


「これでいい」ではなく「これがいい」があるお店。「CONNECT(コネクト)」は、シンプルで心地よい暮らしをご提案しています。作り手とお客様の心地良い暮らしの架け橋になれるよう情報発信をさせていただいています。

 

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No.21
PP19 (ベアチェア)

皆さんは、北欧家具と聞いてどんなことを思いますか?
「おしゃれなデザイナーズで…、有名な椅子がたくさんあって…、安くはない…」
よく聞く声です。確かに、有名デザイナーの名作椅子や、機能性はあるのにシンプルでおしゃれな家具がたくさんあります。

一言で北欧家具と言っても、新しい家具、復刻家具、製造後50年60年経ったヴィンテージと呼ばれる家具、高額なものから手頃なものまでさまざまです。

北欧家具の魅力は、質の良い丁寧なものづくりのものを、価格や見た目はもちろん、デザイナーや機能性、希少性などからも選ぶことができる幅の広さや、そのものが誕生する元となった時代背景にあるストーリーまでも知ることができる奥深さにあります。

50年、60年前に作られ、受け継いで長く使ってこられた家具でも、生地の張替えや木部のメンテナンスをしっかりすれば、さらに使い続ける事ができ、それが価値のあるものとして世界的にも認められています。
そんな北欧家具のものづくりのなかで、まさに最高峰に位置する工房が PP Mobler(PPモブラー)です。

 

PP Mobler(PPモブラー)とは


PP Mobler(PPモブラー)は、1953年小さな工房からスタートしています。今でも最初から仕上げまでの全工程を自社工房で行い、磨きの最終作業は全て職人の手作業で行われるなど、高品質な家具を製造しています。

巨匠ハンス J.ウェグナーのデザインと優れた職人の手作業によって多くの名作を生み出し続け、パパベアチェアの他には、「The Chair」(ザ・チェア)や、「PP550」(ピーコック・チェア)など歴史に名を刻む傑作を作り続けています。

 

PPモブラーの木材と環境


材料となる木は、次の植樹のため根っこから掘り起こされます。そして家具用の材料として加工されます。家具をつくるということだけではなく、持続可能な森林のためPPモブラーは、植樹までを管理しています。

そんなPPモブラーには、長く使えるような確かな素材と技術の結晶のような椅子が存在します。それが、PP19「パパベア」「ベアチェア」と呼ばれるラウンジチェアです。

 

北欧家具の最高峰PP19(ラウンジチェア)

「PP19」は、ハンス J.ウェグナーの名作ラウンジチェアです。1954年にデザインされたこのラウンジチェアは、「ベアチェア」「パパベア」と呼ばれ親しまれています。それは、体をすっぽり覆ってくれる大きな背もたれが「クマに後ろから抱きしめられているみたいだ」と、表現したことに由来します。


PP Mobler(PPモブラー) / PP19(パパベア) イージーチェア / オーク材・ソープフィニッシュ / ネイルチーク / STANDARD FABRIC Hallingdal 110(ハリンダル) / ラウンジチェア

 

年月が経っても古臭さを感じない優れたデザインと機能性

まずベアチェアの本体であるフレームは、ネジなどを使わず、木材を組みあげて作られており、構造にかかわる部分は、強度のある堅い材、ファブリック等を張り付ける部分には、やわらかいパイン材が使われています。

ファブリックやレザーを張るとわずかに見えるだけになってしまう後ろ脚も、実は、アームの下まで続く太い1本の無垢材が用いられています。これは、2本もしくは、複数の木材を接いで作った方が価格は抑えられますが、強度が落ちたり、きしんだりということが無いように品質を保持するためです。
ということは、長い年月を経てもがたつきやゆるみが少なく、最高の座り心地が長く続くということです。


例えばアーム先端の木部は「ネイル」と呼ばれ、ファブリックやレザーに傷みや汚れが集中するのを防ぐ役割と、木の遊び心があるアームデザインの役割があります。オーク、チェリー、アッシュ、ウォルナットの4種類の木材から、脚やネイルの組み合わせを選ぶこともできます。

 

見えないところにもこだわりの素材


身体を支えてくれる弾力のあるクッションは、多様な天然素材が詰められています。馬毛・ヤシの葉の繊維・麻の繊維・ミックスされた動物の毛・綿などで、弾力や性質の違う素材を組み合わせる事で、心地よい調湿作用とウレタンだけでは出せない弾力が生まれます。体圧のかかる部分には、必要に応じてコイルスプリングも使われています。


このように、構造の工夫やこだわりの素材を使い作られたPP19。
アームの下に足を通せるなど自由な座り方で、横にならずともゆったりとくつろげる大きな座面、大きな背もたれに囲まれた空間が安心感をもたらす、まさに最上級の掛け心地です。

いかがでしたか? 日々使う中で、ついてしまった傷も30年後にはヴィンテージの味としての意味を持つようになります。それは、北欧の家具ブランド全てに共通します。
価値が衰えないということは、家具を将来の資産として考える方も多いです。
パパベアは、その最高峰に位置し、まさに世代をこえて受け継ぐことのできる一脚ですが、それには、まだ手が届かなくても、私だったら…と選べる楽しみがあるのが北欧家具の魅力です。
ぜひ、お気に入りを見つけて、日々使いながらヴィンテージに育てていく事も楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

PP Mobler(PPモブラー) / PP19 Papa Bear Chair(パパベア) イージーチェア
Material:オーク・チェリー、アッシュ、ウォルナット
Size:W900×D950×H1010(約mm)SH420 / AH650(約mm)
Brand CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン)/ デンマーク
Designer Hans J. Wegner(ハンス J. ウェグナー)

 

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