ラクするおへそ ― 有賀 薫さん vol.2

暮らしのおへそ
2020.09.24

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ラクすることは、ネガティブなことじゃない。
自分にとってのストレスに向き合い、
自ら解決しようと考え、動くこと。


95×95㎝のコンパクトなダイニングテーブルに、IHコンロ、シンク、食器洗浄機を組み込み、「作る」「食べる」「片づける」を1か所にまとめた画期的なシステムを自ら考案。

 

昨年春、築20年の自宅マンションをリフォームするに当たり、有賀さんは自宅のキッチンを実験台として、新しい食事のスタイルを提案しました。

「コンパクトなダイニングテーブルに、IHコンロ、シンク、食洗機を組み込んで、簡単な調理と食事と片づけを一元化。ラクするためにつくったご飯装置で、いわば食事もできる小さなアイランドキッチンです。これからは、女性だけがキッチンにこもるのではなく、家族が一緒に作って、食べて、片づけもする、キャンプみたいな食事のスタイルがいいなと思って。これなら夫が油揚げやなすを進んで裏返してくれるし、食べ終わったら、自分の食器をサッと洗い流して食洗機に入れてくれます。私は片づけが大の苦手で、そのストレスから解放されて、ものすごくラクになりました。私がこのキッチンを通して伝えたいのは、自分は何が苦手で、何にストレスを感じているのか、自分に向き合い、それを解決する方法を自分で考え、行動しましょうということ。そういう思考が浸透していって、みんなが自分らしいラクするキッチンをつくれたらいいですよね」

有賀さんの「ラクする」は、自分の苦手に向き合い、受け入れて、前向きな想像力と創造力で改善し、暮らしを合理化することでした。

 

キッチンの既成概念をはずす

片づけが苦手なら、苦にならない方法を
考えればいい。従来の常識に縛られず
自分が快適なキッチンをつくればいい。


テーブル脇に設置した小さなシンクで食器の汚れを洗い流し、そのままテーブル下に内蔵した食洗機へ。


テーブル側面の引き出しには、箸と箸置き、カトラリーや食卓で使う調味料を。


座ったまま振り向けば冷蔵庫に手が届くので、食事中に「ソース取って」と言われてもノーストレス。夫婦仲にも貢献。

 

家事の自動化システムをつくる

ズボラだから、苦手な家事のルーティンは決められない。
だったら無意識に体が動く自動化システムをつくればいい。



ふきんは大量にスタンバイ。使ったら替え、まとめて漂白
上/ふきんをいちいち洗うのが面倒なので、「無印良品」のふきんをたくさんかごに入れておく。 右/使ったそばから、どんどん箱の中へ。 左/ある程度まとまったら、粉末せっけん「そよ風」と酸素系漂白剤を溶かした水で煮沸する。


道具は一軍と二軍に分ける
調理器具は一軍と二軍に分け、よく使うものはカウンターに出しておき、それ以外は引き出しの中に。調味料も頻繁に使うものだけを一軍の近くに。


排水口の水きりかごは替えを2個
ヌメリが気になるゴムパッキンを廃止して、水きりかごは浅型に。ゴミがたまったらすぐに空け、ざる感覚で洗う。替えを2個用意し、たまには天日干しをして。

『暮らしのおへそ Vol.30』より
photo:寺澤太郎 text:一田憲子


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Profile

有賀 薫

Kaoru Ariga

ライターを経て、2011年より約8年半、約3000日にわたって毎朝スープを作り続ける。おいしさに最短距離で届くシンプルなスープを提案すると共に、手をかけなくても豊かな食生活を送るためのライフスタイルにも目を向けて発信している。9月11日に『スープ・レッスン2』(プレジデント社)が発売予定。
スープ・レッスン https://cakes.mu/series/3722
スープ・レシピ https://note.com/kaorun/m/me9ca8fc37def

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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