夫を育てるには、失敗とユーモアが大事 ― 「お米農家 やまざき」主宰・山崎宏さん、瑞弥さん Vol.2

『家事のしくみを、整える』
2021.07.01

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乳飲み子を抱えてヘトヘトになった夕方
「コンビニでクリームパン買ってきて」と
頼んだら
「クリームパンは売り切れだった」と
何にも買って帰らなかった夫。
怒りながら、笑いながら
なんとかここまでやってきました。


洗面所にキッチンペーパーを置いておき、朝起きたら真っ先に洗面所の掃除を。鏡を拭くだけで気持ちよく一日を始められる。洗面ボウルの中は、洗面所に置いた「マーナ」のスポンジでサッとこするだけ。

 

お米農家は、季節によってその忙しさがまるで違います。田植えや収穫時期は田んぼから帰るとクタクタ。そこで、家に帰るとまず瑞弥さんが子どもたちをお風呂に入れ、宏さんに夕飯を作ってもらう体制に。

「最初は、餃子としょうが焼きが並んで、『ここは柔道部?』っていう食卓でした。だんだんサラダがつき、おひたしも並び……。毎日作ると、あれ買っておかなくちゃって買い物のスキルもアップするんですよね」

洗濯は櫂くんが担当。掃除は週末に家族全員で「せ〜の」で取りかかります。

瑞弥さんの話を聞いていると、思わずププッと笑ってしまうエピソードがいっぱい。「あ〜あ」と思う失敗をユーモアに変えて笑い飛ばす。それが家族を育てるコツのよう。

実は瑞弥さんは、本来とても几帳面な性格です。「こうじゃなきゃ」という自分の100点を手放すのはきっと大変だったはず。まず「自分ひとりではとても無理」とあきらめるのが第一歩。次に思いどおりの仕上がりでなくても「やってくれてありがとう」と感謝するのが第二歩。そして、「もうちょっとこうだったらいいのになあ」と背中を押し続ける第三歩目も大事。急がず、笑顔で、ワンチームで。家族を家事に巻き込めば、幸せは倍増するのだと教えてくれました。


週末には瑞弥さんが号令をかけ、家族全員で掃除に取りかかる。「みんなでやらないと、つい『どうして私ばっかり』と思っちゃうので」と瑞弥さん。

 

photo:有賀 傑 text:一田憲子

 


『家事のしくみを、整える』より
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Profile

山﨑 宏・瑞弥

Hiroshi Yamazaki , Mizuya Yamazaki

宏さんは、江戸時代末期から続く米農家の6代目。瑞弥さんは宏さんと結婚後、茨城県筑波山麓で共に米作りを。長男、長女と4人家族。著書に『お米やま家のまんぷくごはん』(主婦と生活社)。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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