毎朝10分間片づける ― 沢野ひとしさん Vol.1
毎朝5時に起きて
まず10分間片づけるのが日課です。
やりすぎるとイヤになるから
10分きっかりでやめるんです。
でもね、10分でできることって
結構あるんですよ。
ほのぼのしたタッチにユーモアとロマンがにじみ、くすりと笑えるつぶやきが添えられている。独特の抜け感が魅力の沢野ひとしさんのイラストを、きっとどこかで目にしたことがあるはず。長年にわたって活躍するイラストレーターであり、登山や旅のエッセイストでもある沢野さんの仕事場は、すがすがしいほどにいつもスッキリと片づいています。朝の片づけを日課にしていて、起きたらまず机をきれいに片づけると決めているそう。
「片づけるといっても朝10分間だけ。ただし毎日やる。たった10分でも、毎日だと全然違う。部屋もきれい、体もほぐれ、心もスッキリ晴れ渡る。朝の片づけは一日を気持ちよくスタートさせるための助走のようなもの。朝が苦手なら夜でもいいんです。今じゃあ、僕は起きれば体が自然に動く、早朝片づけロボットです」
そんな沢野さんの「片づける日々」をユーモアたっぷりに綴った『ジジイの片づけ』(集英社)を読めば、沢野ワールドに引き込まれ、片づけの魅力に開眼し、すぐにでも朝の10分間片づけを実践してみたくなります。
朝5時に起きたら、洗顔をして、白湯を飲んだら、沢野さんの片づけタイムが始まります。机の上の飲みかけのマグカップやら、資料やら、散らばった文房具をもとに戻します。これ今必要? なくてもいいよね? と冷酷にジャッジし、もとに戻しながら、いらないものをどんどん捨てるのが沢野さん流。
「〝戻す〞と〝捨てる〞この2つが基本中の基本です。保管より処分が優先。どこから片づけていいかわからないなら、今日は靴下の整理、とか洗面所の棚、など1つ場所を決めるのもオススメ。短すぎても片づかないし、長いとイヤになっちゃうから、10分間できっぱりやめるのが続けるコツ」
photo:沢野ひとし
『家事のしくみを、整える』より
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Profile
沢野ひとし
イラストレーター、エッセイスト、絵本作家。『本の雑誌』では創刊時から表紙イラストを担当。著書に『人生のことはすべて山に学んだ』(角川文庫)、『真夏の刺身弁当』(産業編集センター)など。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。