【60代の大人暮らし 小暮涼子さん】60代ならではの気負わず楽しむ芸術の秋・ものづくりの秋

頑張りすぎず心地いい、60代の大人暮らし
2023.09.15

昨年の『ナチュリラ』2022春夏号「母娘で受け継ぐ“古いもの”を慈しむ心」にて、SDGsなおしゃれと暮らしをご紹介した小暮涼子さん。その飾らない等身大の様子にはたちまちの反響があり、2022年5月よりコラム連載をスタート。

最近のSNSは素敵な投稿が溢れていて楽しい反面、「あまりにキラキラしすぎていて、そうでない自分に苦しくなる」という声を聞くことも。「無理しない、背伸びしない、でも心地いい」そんな小暮さんの暮らしぶりを月一連載でお届けしています。


 

歳をとるって、とかくマイナスなイメージに捉えられがちですが、今の自分だからこそ感じたり味わえたりできることもあると思いませんか。美術館を訪れる楽しみも私にとってはそのひとつです。

アートは美術館の雰囲気ごと楽しんで


友達に誘ってもらい、上野の東京都美術館で8月20日まで開催していた「マティス展」に行きました。こちらの美術館は、北欧を感じさせるスッキリした建物の雰囲気も好きです。


2階に展示された作品は撮影OK。中でもシンプルな線と色合いの作品「夢」にうっとり。近くから、離れた場所からゆっくり、ゆっくり鑑賞します。


興味の対象は絵画や彫刻にとどまりません。館内の壁の色が素敵で、自分の部屋にクリーム色のアクセントカラーを考えているのもあり、ベンチで休憩中もふむふむと観察しちゃいます。


こちらは東京都美術館ギャラリーの様子、ここから見た照明や柱のアーチのデザインが気に入っていて、いつもこうして覗いています(笑)。

 

鑑賞のあとのお楽しみといえば……


美術鑑賞のあとはランチ。友達は展覧会の入館料が700円お得(65歳以上)だったので、ちょっと贅沢なガーデンプレート! 私はカレー(笑)。私もあと5ヶ月で65歳になるから美術館等がお得料金になるので待ち遠しいです。


上野公園内のカフェからのいい眺め! ひとりの時は向かいのスタバでしたが、友達と一緒だから気になっていたカフェでおしゃべりしながら食事できて、ひとつ小さな夢が叶った感じ(笑)。

 

展示を観たからこそ広がった興味


マティスのことがもっと知りたくなって図書館で本を借りてきました。原田マハさんのアートをテーマにした本が好きで、読むとその芸術家のファンになってしまいます。


マティス展で大いに気になった晩年の切り紙絵。空や海をテーマにしたシンプルな形がセンスよく、可愛らしく見えました。

 

お家で楽しむプチ創作活動


色が気に入っているコーデュロイの生地に、しっかりした厚地の麻生地を使いマティスの切り紙絵を真似てクッションカバーを作ってみることにしました。


このミシンは30年以上前に買ったもので、機械のご機嫌次第で下糸の調子が悪くなるのですが、この日はスムーズに縫えて、それだけでラッキーな気分。


一筆書きで描いた星をベースに、星にもヒトデにも見えるアップリケをブランケットステッチで縫いつけます。


でき上がりました! 娘が置いていったクッションを解体して作ったミニクッションが秋のインテリアに変身。腰痛のときに腰に当てるとちょうどいいサイズなんです。ちなみに生地と刺しゅう糸は服作りをする次男に譲り受けたので、今回も材料費は0円です。


「芸術の秋、ものづくりの秋」をテーマに久しぶりに縫い物もしました。クッションを使う度にマティスのこと、一緒に行った友達のこと、上野公園のキラキラした景色が目に浮かび、楽しませてもらっています。どうぞ皆さんも、それぞれの秋を味わってくださいね。それではまた、10月に。

 

写真と文/小暮涼子

 


 

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小暮さんの著書『60代大人暮らしの衣食住』


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Profile

小暮涼子

Ryoko Kogure

instagram「@ryoko_kogu

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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