【内田彩仍さんvol.2】今のうちから暮らしを小さくする練習を
今週は内田彩仍さんの新刊『変えること変わらないこと』からおすすめコンテンツを毎日ご紹介しています。
「年金生活になったら、暮らしを小さくする」という話をよく聞きますが、わが家でも五年ほど前から話題に上るようになりました。夫に「もし節約するとしたら、一番削りたくないものは何？」と聞いたところ、迷わず「食費」と即答。以前「キッチンに住みたい」と言っていたくらい、何より食べることが好きなので、まあ想像はつきましたが（笑）。わが家はほとんど外食をしないから、ここは私の腕の見せどころかもしれません。日々の食事が美味しくなるよう工夫しながら、ほどよく手抜きもしつつ、予算内で作っていこうと思います。
わが家で節約できそうなもののひとつが、電気代です。愛猫そらと暮らし始めて、初めて迎えた夏のこと。家中を行き来するそらが暑くないよう、就寝時も一階と二階のエアコンをつけたままにしていました。すると、その月の電気代が、今まで見たことのない額に。いい節約方法はないかと考えたところ、そらは二階のリビングで寝るのが好きなようなので、昨年から夫と私もリビングに布団を敷いて寝ることに。それが、広々として思いのほか心地よいうえ、電気代も通常に戻って一石二鳥でした。そして今年、寝室のエアコンを最新機種に買い替えたところ、さらに電気代が下がってびっくり。旧式の家電は、予算の範囲内で早めに買い替えたほうがいいことにも気づきました。
またもうひとつ、出費を小さくできそうなのが「思いつき買い」。例えば「今日はお休みだし、ケーキを食べたいな」という時は、三つ四つ買ってしまうことも。新しいパン屋さんができたと聞けば、喜び勇んで出かけ、たくさん買い込んでしまいます。ひとつひとつは少額でも、一か月分だと結構な額に。とはいえ、ふたりとも食べることが一番の楽しみなので、買うのをやめるのではなく、ケーキはひとりひとつ、パンはその日のランチの分のみ、という感じで、少しだけ意識してセーブしようと。私は、新しい洗剤など日用品にもときめいて、つい「思いつき買い」をしてしまうから、こちらもストレスを感じない程度に、買う量を減らしていくつもりです。
新たに始めた「暮らしを小さくする」工夫は、すぐに結果が出るものもあれば、何年か続けたあとに違いが出てくるものも。今は、私たちにとってどのくらいの買い方、暮らし方がちょうどいいのかを、衣食住全般において見極めている最中です。節約も大事ですが、これから先、様々なことを諦めてばかりの生活では寂しいから、必要なものを適切に選び取る習慣を身につけて。日々、実験を楽しむ気持ちで続けていこうと思います。
銀行の通帳記帳はこまめに
引き落としされることを、うっかり忘れていたり見落としたりすることもあるから、できるだけこまめに記帳するように。ケースはハイタイドのもの。
百均では予定外のものは買わない
百円均一ショップは、行くとあれもこれもと目移りしてしまうから、ポリ袋など、買うと決めたものだけを購入。余計なものは買わないよう意識しています。
置き場所を決めてから購入する
好きな北欧の小物も、つい欲しくなるもののひとつ。場所がなくて結局飾れなかったということがないよう、買う前に置き場所を決めておくように。
器を増やすのはひと休み
気分を上げて食事の支度ができるよう、器は増えてもいいと考えていましたが、とうとう食器棚がいっぱいに。一旦、新しい器を買うのはセーブしています。
セールで服を買わないように
値引きされていると、普段なら手に取らないものでも、「あったら着るかも」という魔法にかかってしまいがち。本当に欲しい服だけを見定めるように。
photo：大森今日子
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Profile
内田彩仍
福岡県に夫と愛猫と暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしが雑誌などで人気を集める。主な著書に『いとおしむ暮らし』『家時間』『幸せな心持ち』『変えること変わらないこと』（主婦と生活社）などがある。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。
