【マルニ木工】プロダクトデザイナー深澤直人さんの言葉“モッタイナイ”でスタートした挑戦 Vol.1

令和の家具事典
2024.10.04

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

 

「日本の住文化を高めたい」そんな思いで創業したマルニ木工は2023年で95周年。
創業以来変わらず木製家具にこだわり、「工芸の工業化」をモットーに、職人の手仕事と機械加工のバランスを追求した家具を皆さまに提案しています。
「令和の家具事典」ではマルニ木工のこと、そして私たちが作る家具のことなどをお届けしていきたいと思います。
少しでも皆さまの暮らしのお役に立てますように。


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#03
「モッタイナイ」から生まれる形 HIROSHIMA  Vol.1

マルニ木工の代表アイテムとなったHIROSHIMAアームチェアの誕生秘話Vol.1。どのように商品が作られたか、そこに込められた思いなど、5回にわたってご紹介いたします。


日本人なら誰でも知っている言葉、”モッタイナイ”ですがグーグル翻訳で英語にしてみると”what a waste”なんたる無駄、と出ます。でも”モッタイナイ”と”なんたる無駄”は少しニュアンスが異なり、”モッタイナイ”には価値を十分に生かしきれていないというニュアンスが含まれていると思いませんか? この日本特有の”モッタイナイ”、これがHIROSHIMAアームチェアの誕生秘話に大きく関わっているのです。

 

深澤直人、ジャスパー・モリソン
マルニ木工の本社工場へ

プロダクトデザイナーの深澤直人とジャスパー・モリソンが本社工場を訪れたのはもう15年以上前の話。二人で一緒に工場を訪れてくれたのです。その際、二人共とてもマルニ木工の技術に感銘を受けたと、それぞれの書籍「Embodiment」(2018年にPhaidon社より出版)、「A Book of Things」(2016年にLars Mulller社より出版)で綴ってくれています。そして二人とも残念に思ったこともまた同じように記載しているのです。この時、深澤さんが日本語でおっしゃった言葉が今回のタイトル”モッタイナイ”です。

 

「木」本来の温もりを目指して

長年生産しているクラシック家具はきれいに削り出して、3~4回繰り返し着色をします。これは今後のメインテナンスが楽なように、さらには高級感が増すように考えられた技法ですが、本来の木肌を別の色で覆ってしまうので、それはとても残念だ、”モッタイナイ”ことと二人はおっしゃいました。その当時で約75年の歴史のあるマルニ木工の家具作りの中で、それはまさに衝撃の発言でした。


それまで何度も塗装を重ねて仕上げることこそ最良の方法だと自信を持っていましたが、全く考えてもいなかった点に着目されたお二人の言葉は強烈な印象を残しました。

 


そこからマルニ木工の新たな挑戦がスタートしたといっても過言ではありません。

 


★深澤直人さんの書籍「EMBODIMENT」はオンラインショップでもご購入いただけます。

 

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