料理家・渡辺有子さん まだまだやれることがたくさんある vol.2
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レッスンの前には、次のレシピをとことん考え抜くと言います。
雑誌で「なすを使った料理10品」と言われれば、
すぐに10皿をあげることができます。
でも、教室では、その人が帰ってからの暮らしを想像しながら、
何を伝えるのかを明確にしなければなりません。
「家で何度も作り続けるひと皿になってほしい。
作りやすくて、でも今まで作ったことがないような、
新たな発見がある献立を……と考えますね」。
それは、たとえば、いつも火を通していた
ズッキーニを薄くスライスして、生で食べることだったり、
いつもの野菜を菜切包丁でスパッと切れば、
味わいまでが変わることだったり。
「料理って、とてもクリエイティブなものだと思うんです。
それは、いつものすぐ横に、別のおいしさもあることに
気づくことだと思います」。
こうしてレッスンを始めてみると、
「私には、もっとできることがあるかもしれない、
と自分の力を信じてみたくなりました」と渡辺さん。
いつもの料理の見方を変える
いつもの野菜、いつものおかずでも
違う角度から見つめてみれば
新しいおいしさに気づく
盆ざるを使う
葉もの野菜や、オクラやさやいんげんなどをゆでたら、
水に取らずに盆ざるに広げて冷ます。
広げることで水分が蒸発して飛ぶので、
仕上がりが水っぽくならない。
菜切り包丁を使う
3年ほど前、包丁研ぎの教室に行ったのを機に、
毎日菜切包丁を使うようになった。
「切り口がキラキラしているんです。
舌触りやおいしさまでが変わるんですよ」
ズッキーニを生で食べる
いつもは火を通すことが多いが、
薄い輪切りにして水にさらし、塩とこしょう、
オリーブオイル、グリュイエールチーズをふりかけて、
生で食べるサラダに。
『暮らしのおへそ』Vol.22より photo:馬場わかな text:一田憲子
Profile
渡辺有子
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。