ライフスタイルに合った家具に変身させる【マルニ木工】のリフォーム技術
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
「日本の住文化を高めたい」そんな思いで創業したマルニ木工は2023年で95周年。
創業以来変わらず木製家具にこだわり、「工芸の工業化」をモットーに、職人の手仕事と機械加工のバランスを追求した家具を皆さまに提案しています。
「令和の家具事典」ではマルニ木工のこと、そして私たちが作る家具のことなどをお届けしていきたいと思います。
少しでも皆さまの暮らしのお役に立てますように。
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#17
世代を超えて受け継いでいただくために
マルニ木工では修理にも力を入れています。メンテンナスしながら使い続けていただくことで、永くご愛用いただけます。
今回はそんな修理の中身をご紹介いたします。
「世代を超えて受け継がれるモノ」よく聞くフレーズですが、家具においては親子で好みが異なったり、それぞれの時代で流行のインテリアがあったりと、そのままの状態で受け継ぐことはなかなか難しいと思います。そんな時におすすめなのが、「生地」と「木部の塗色」を変えるリフォームです。そのままでは使えないけれど、少し手を加えることでお客様お一人お一人のライフスタイルに合った家具に生まれ変わらせることができます。
今回はそれらを実感することができたご依頼をご紹介いたします。
お客様からは「元々両親が経営していた病院で使用していた椅子を、自宅でも使いたい。ただ赤だと少し印象が強すぎるので、イメージを変えたい」というご依頼でした。
その際に「生地だけでなく木部の塗装を剥がし、木本来の色にしたい」というご要望もいただきました。
木部修理
今回のご依頼の一番難しい点は、赤い塗装を剥がしてみないと元の木の色がどのような状態かわからないことでした。場合によっては、同じ椅子でも一脚ずつ木部の色が大きく異なる可能性があります。
理由は主に2つあります。1つは、一度目の塗料が木の個性でもある木目、特に導管に染み込んでおり、その染みこみ具合の違いです。もう1つは、同じ木材でも塗装の剥がれ具合に違いが生じることです。
事前にお客様にそのことをお伝えしたところ「それぞれ色が違うのは個性的で面白いですね」とおっしゃっていただき、修理をスタートすることができました。
元々の塗装が濃い色でしたのでどこまで色が落ちるか不安でしたが、アーム部分(肘掛部分)は思ったより塗装がうまく剥がれてきれいな色になりました。
パーツによっては、色が落ちなかったところ、よく落ちたところの差が生じている箇所もありました。
張替え修理
背もたれの張替えもとても特殊な作業でした。この椅子は背もたれのデザインを表現するため、1枚の生地ではなく何枚もの生地を張り合わせています。
通常の背もたれでは1枚の型紙を使うことが多いですが、今回は5枚の型紙を使用しました。
型紙を生地にあて、パーツを裁断していきます。
裁断した生地を縫い合わせていきます。
成型したウレタンに縫製した生地を合わせます。
ボタンを同じ生地でつくり、生地に取りつけていきます。
縫い合わせた生地を背もたれ本体に張り込んでいきます。
レトロな印象だった家具がシンプルでモダンな家具へと生まれ変わりました。
どんな家具になるか完成しないと分からない中、「それでもやってみよう」とおっしゃってくださったお客様のおかげで、この家具は世代を超えて受け継いでいただくことができました。
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