デスクワークに、食卓に。使いたいシーンに合わせて脚を選べるSwing chair【天童木工】

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

#29
Swing chair
しなやかにスイングする３種類のチェア
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天童木工の連載も最終日となりました。最後は建築家の中村拓志氏（NAP建築設計事務所）のデザインによる「Swing chair」を紹介します。
#27「PLYPLY」、#28「SAND」と同じく「JAPANESE MODERN /80 PROJECT」で発表した家具で、成形合板と天童木工の新しい可能性を示すものとしてデザインされました。

人のふるまいに寄り添う椅子

中村拓志氏は当社からの新作家具の依頼を受けた時、椅子を使う人の動作に着目しました。

「心が弾むときに思わず身体が横に揺れる。人間工学を基にした椅子ではなく、合理性や機能性を超えた、身体に近く、かつ、身体表現にもつながる椅子。そういう豊かさをもつ椅子をつくりたかったのです」
引用：書籍『天童木工とジャパニーズモダン』（青幻舎）より

そう語った中村氏は、成形合板の特性である木の弾性や反発力を活かして、人の動きに追従し、身体の一部のように「スイング」する椅子をデザインしました。

成形合板ならではのしなりとクッションによって、美しいフォルムとゆったりとした座り心地を追求しています。身体を支えるように伸びるT字型の背もたれは肘置きの機能も兼ねており、キーボードやマウスが操作しやすい高さとボリュームのあるクッションがデスクワークをサポートします。
また、アームをデスクの天板に引っ掛けることもできます。床の掃除が容易になり快適な空間づくりに貢献します。

脚部にはソリ脚、ムク脚、キャスター脚と３つのバリエーションをご用意。空間や用途に合わせて選ぶことができます。アーム形状は、#20で紹介した剣持勇氏のチェアへのオマージュでもあります。


ソリ脚タイプ

Photo：Kohei Yamamoto

様々な空間で使用できる、ソリ状の脚が特徴的なチェアです。前脚先には角度がついており、座った状態で作業に合わせて座の角度を２段階にシフトすることができます。
スムーズな重心移動により、デスクワークに適した前傾姿勢を無理なく保てるのもポイントです。


ムク脚タイプ

ナラ無垢材の丸棒を取り入れた４本脚のチェアです。脚部は、立体的な背もたれとのコンビネーションが美しく、計７本の貫（ぬき）で組まれた構造によって繊細な見た目と頑丈さを両立しています。足元も広くすっきりとしており、飲食店をはじめとする商業空間はもちろん、ダイニングや書斎などでの日常使いにもおすすめです。


キャスター脚タイプ

Photo：Kohei Yamamoto

高さ調節が可能なキャスター脚のチェアです。木のナチュラルな表情がオフィスだけではなく住空間にも馴染みやすい佇まい。在宅ワーク環境を兼ねるリビングやダイニングにも自然に溶け込みます。
仕事の合間にゆったりと背中を預けながら読書することもできる、リラックスチェアとしての心地よさも備えた、暮らしに寄り添うワーキングチェアです。

Swing chair

ソリ脚タイプ：T-3264NA-ST, T-3264NA-CH, T-3264NA-BW
材料：背・ナラ / ホワイトビーチ
サイズ：W590 D533 H725 AH725 SH460（㎜）

ムク脚タイプ：T-3265NA-ST, T-3265NA-CH, T-3265NA-BW
材料：ナラ
サイズ：W590 D540 H725 AH725 SH460（㎜）

キャスター脚タイプ：T-3266NA-ST, T-3266NA-CH, T-3266NA-BW
材料：ナラ
サイズ：W590 D525 H725(680～770) AH725(680～770) SH460(415～505)（㎜）

■中村拓志 & NAP建築設計事務所
1999年明治大学大学院理工学研究科建築学専攻博士前期課程修了。同年「隈研吾建築都市設計事務所」入所。2002年「NAP建築設計事務所」を設立し、現在に至る。街づくりから家具まで、扱う領域は幅広く、自然現象や人々のふるまい、心の動きに寄りそう「微視的設計」による「建築・自然・身体」の有機的関係の構築を信条としている。そして、それらが地域の歴史や文化、産業、素材等に基づいた「そこにしかない建築」と協奏することを目指している。

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