【福田麻琴さん連載】素敵な50代になるために、いま私ができること ~ vol.4 球根を愛でる

ナチュリラ
2024.06.28


『ナチュリラ』でのスタイリング提案でもおなじみ、人気スタイリスト・福田麻琴さんのコラム連載がスタートしました! 現在45歳の福田さんが「素敵な50代を迎えるために」最近心がけていることとは? 日常のなかでのおしゃれや暮らしについての“ちょっとした気づき”をダイアリーのようにお届けします。

 


 

いつからか球根が好きになりました。ガーデニングを楽しむ母を幼い頃から見てきたこともあり、私も大人になったらきっと植物を愛でる人になるんだろうなぁとぼんやり思っていましたが、気づいたらもうだいぶ大人(笑)に。そして、義理の母もガーデニング好きとあって、気がつけば私もちゃんと植物の成長を楽しめるようになっていました。


冬の終わりが近づくと、花屋さんには球根が並び始めます。この時期ばかりは切り花よりも球根を目当てに花屋さんへ。切り花の見事な美しさは何にも変え難いものがありますが、球根から育てる素朴な楽しみもあるんです。
だって毎日、表情が違う。球根から根っこが伸びて、芽が出て、そして花を咲かせる。この過程を間近でみられる喜びといったら!成長を見守るのが愛おしく感じるのは子育てに似ていると思います。毎日見ていると変わらぬ姿も、ふとした瞬間に急に大人になっていたりして。一瞬たりとも見逃せない、一分一秒がかけがえのない時間です。


特にお気に入りなのはヒヤシンス。香りが上品でそれでいて濃厚で、その香りで「あっ、咲いた!」とわかるほど。あんな小さな蕾がたくさん集まって、ひとつの花となるなんて……自然の力は本当にすごい。視覚も嗅覚も、心までも楽しませてくれるんです。


真っ赤なマジックアマリリスは1本だけでも存在感が抜群です。家族の写真やキャンドルなどを飾ったお気に入りのコーナーに華を添えてくれます。


今年は間に合いませんでしたが、水耕栽培用に「KINTO」の“アクアカルチャーベース”も買っちゃいました! 来年が楽しみです。
最近の私を癒してくれるのは家で育てる球根だけではありません。週末は近くの公園に散歩に出るのですが、そこに咲く薔薇がまた素晴らしいんです! 先週はまだ蕾だった薔薇が今週は立派に咲いていたりして。公園の薔薇の成長を見守るのもこの頃の日課となっています。


こちらも近所で見つけたビワ。初夏の訪れを感じます。日々姿を変えていく自然のものに、なぜ今心を奪われるのか。去年も一昨年も咲いては枯れてを繰り返していた植物たち。ずっと繰り返してきた循環に、気がついたのは私の方。景色が変わったのではなくて、私の心が変わったんだと思います。それはきっと少しだけ自分の時間が持てるようになったから。心に少しゆとりができたのかもしれません。こういう日々の小さな幸せって、自分にゆとりがないと気がつけませんよね。球根や公園の花、生け垣の木々を眺めながら、ふと大人になったんだなぁと思います。自分の時間を丁寧に使えていると感じるんです。


ワークショップで作ったレゴの花を生花とともに飾ってみました。切り花とはまた違う洗濯。長く楽しむ花、という視点でこれもアリかなと。育てる花、愛でる花。変わりゆくものと自分の中の心の変化。
さまざまな変化を感じようとするもしないも自分次第。それはこれからの生活や心の豊かさにもつながってくると思います。私は少しでも変化を感じられる50歳になりたいので、今から少しずつ練習! 小さな変化、幸せ、見逃さないように。

写真と文/福田麻琴

 

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Profile

福田麻琴

ふくだ・まこと

1978年生まれ。フランス・パリ留学を経て培われたフレンチテイストに、ベーシックさと、そのときどきのニュアンスの両方をバランスよくを取り入れたスタイリングが人気。近著に『MY BASIC, MY ICONS 10年後も着たい服』(イースト・プレス)。IG「@makoto087

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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