山の恵みがたっぷり 加藤育子さんの木のうつわ
〜「Fosset/フォセット」より vol.5〜
加藤育子さんとの出会いはまだお店を始める前のオープン準備をしている頃。これからはじまるお店のことをあれこれ考えている時、知り合いを通じてお会いしました。気さくで、おおらかなお人柄が印象的な加藤育子さん。
育子さんのご主人は静岡県藤枝市の森林組合に所属する木こりとして働かれています。伐採された木が、使われることなく山に置かれる様子を見て、「価値なく扱われる木をなんとかしたい!」という思いで、器を作り始められたそう。
木こりのご主人が伐採された木を、生木のまま旋盤という機械にかけ、プレートやボウル、カッティングボード、ヘラなどに仕上げています。
木工作品の大半は何年も乾燥させてから加工することが多いのだとか。生木を旋盤にかけて木を挽くと、水分を多く含んだ木は水しぶきが出るそう。乾燥していくと、自然の歪みやフォルムが生まれて、唯一無二の作品が出来上がります。
仕上げは、自家製蜜ろうWAXを使い、丁寧に仕上げているんですよ。この蜜ろうWAXは、育子さんの自宅裏や山で野生に近い状態で飼育している日本ミツバチの巣がらを精製したもの。
「全て、山の恵みを頂いて器ができています」「器になった山の命をみなさんのところで育ててください」と育子さん。
こちらは山桜のボウル。山桜はきめが細かく水にも熱にも強く器にも最適な木です。木の皮をそのまま残した、木の温もりを感じる作品です。
こちらは樫の木を使ったボウル。堅くて丈夫な木です。サラダボウルやちらし寿司をお料理しながらそのままテーブルに。お菓子や果物を入れてもとても素敵ですよ。
木の器のお手入れは、「使って洗って乾いたら植物性の油を塗る」これを繰り返すと木に油が馴染み丈夫で美しく育っていきます。油が馴染み育ってくると水をはじき、汁物にも使えるようになりますよ。
山の恵みたっぷりの加藤育子さんの木の器。たくさん使って、器を育てていただけたら嬉しいです。
愛知県刈谷市今川町2-707
TEL:0566-95-2650
営業時間:10:30〜16:30
定休日:水曜・日曜(※イベント期間は日曜営業あり)
https://fosset.jp
Instagram @fosset__
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