母娘でアイシャドウ共有はNG! 50代が使うべき4色って?【前編】
こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!
世代の違う母娘が
同じメイクをするのはNG!
さて、先日ヘアメイクレッスンに来てくれたのは、20代の娘さんと一緒にお買い物に行って服やコスメを選ぶのが楽しいという50代のお母様。その日も、娘さんの服を借りてきたそうで、とても可愛らしいワンピース姿。とても50代には見えない若々しくおしゃれな方です。私は母とのお出かけといったらスーパーに行く程度なので、そういう仲良し母娘関係はうらやましい限り。
そんなお母様がお悩みだというのが、娘さんのメイクと仕上がりが違うこと。ふたりでメイク動画を観ては一緒にあれこれ実践してみるそうなのですが、娘さんは可愛くなるのに、自分はなぜか同じように可愛くならないと嘆きます。
「特にアイメイクが上手くいかなくて……。動画で使われているのと同じものを買って、娘と同じようにメイクしているのに、どうも思い通りに仕上がらないんです」
せやろ、せやろ。それ、想像がつきます。私も仕事柄、勉強のためにメイク動画を観て新しい商品やテクニックを試したりするので、動画をそのまま真似しても上手くいかない彼女の気持ち、よくわかります!
それでは僭越ながら、その理由を本日もハッキリ申し上げます。それは「娘さん世代のためのメイクグッズとメイク法が、50代のお母様には合っていないから」です。そこで今回は、一番上手くいかないというアイメイクにフォーカスして分析して参りましょう。
使用アイテムが
多すぎるのはNG!
私のヘアメイクレッスンでは、普段使っているメイク道具を持参してもらっています。ということで、まずアイメイクグッズを見せてもらうと……
「娘と共有しているので、いっぱいあるんですけど……」
ごそごそ、ごそごそ。お~、お~、出てくる出てくるー! アイメイクグッズがテーブルを埋め尽くします。さらに、この日のアイメイクに使ったものを教えてもらうと……
「えーっと、これとこれと、これとこれとこれと……」
お、多い! とても多い! お客さん、そりゃ多すぎますぜ!(と、心でつぶやく)
でも、メイクが好き、そして努力されているのが伝わってきます。
ここまでくれば皆さんもお察しのとおり、このお母様のアイメイクは、いろいろつけ過ぎていてメリハリがなくコテコテなうえ、左右非対称な仕上がりでした。ちなみに、その使用アイテムはコチラ。
●アイメイクベース
(アイメイクを定着させるためのもの)
●クリームタイプのハイライト
●ノーズシャドウ
●アイシャドウとペンシルタイプのアイカラーを全部で7色
●ジェルタイプのアイライナー
●リキッドタイプのアイライナー
●マスカラベース
●マスカラを2種類
ひょえ~。
こんなにたくさん使わずとも、日常のメイクなら4色入りのアイシャドウパレットとアイライナー、マスカラ1本で十分だと思いますよ(アイシャドウの色の選び方は【後編】でお伝えしますね)
50代のアイメイクは
コテコテNG!
目の周りはよく動くところです。皮膚が薄いから、メイクを盛り盛りに重ねすぎると瞬きするたびに崩れちゃう。このお母様のアイメイクが上手くいかない原因のひとつは、使用アイテムの多さにあったんですね。
朝メイクをして出かけて帰宅するまで、およそ10時間。コテコテのメイクだとおそらく崩れてくるし、時間とともにくすむことでしょう。できるだけ長い時間メイクを保たせるには、薄く重ねることが重要なんです。
メイク動画をそのまま
真似するのはNG!
私もテレビや雑誌の撮影現場でヘアメイクの仕事をするときは、撮影をするその一瞬のために一片の曇りもないパーフェクトフェイスをつくるべく、盛りに盛ってメイクを仕上げます。でも、ヘアメイクレッスンにくる方にお伝えしているのは、それとはまったく違う方法。日常のメイクは使用アイテムの数を減らして、できるだけ軽やかに仕上げるのがポイントなんです。
ですがね、そういったプロのモデルさんにするようなスペシャルメイクを、おすすめの方法として紹介しているような動画もけっこうあるんですよね。昨今は、SNSや雑誌などで美容情報が山のように発信されているので、どれをどのように取り入れるか判断するのが難しくなっていると思います。世代だけでなく、顔立ちも髪質もみんな違うから、誰かに合うものが自分にも合うとは限りませんしね。
そこで皆さんに注目してほしいのが、動画やSNSの中で紹介されているアイテムやテクニックは、「なぜいいのか、何に効果的なのか」という理由や目的の部分。それがわかると、「これはピチピチお肌でないと似合わないな」とか「私は顔を小さく見せたいからこの方法がいいかも」といった具合に、情報をきちんと取捨選択できるようになります。それをすっ飛ばして、やみくもに真似しているだけでは、メイクはなかなか上手くなりませんよ。
さて、今日のところはここまで。明日の【後編】では、アイメイクのキーアイテム、4色アイシャドウパレットの選び方と使い方をお伝えしますね。
illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ
Profile
藤岡ちせ
ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_
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