母娘でアイシャドウ共有はNG! 50代が使うべき4色って?【後編】
【前編】でご紹介したのは、20代の娘さんと一緒にメイクを楽しむ50代のお母様の「アイメイクが上手くいかない」というお悩み。その原因のひとつは、使用アイテムの多さでしたが、今日はもうひとつ見直すべき問題についてお話したいと思います。
50代のアイメイクには
ハイライトカラーが必要
私が気になったのは、このお母様が使っていたアイシャドウの色。娘さんと共有しているという4色アイシャドウパレットを見ると、そのすべてが主役級の色でした。アイドルグループでいえば、4人全員がセンターを張れるくらいのメインカラー揃い!
くすみ、しみ、シワ、たるみのない娘さん世代なら、オールセンター級の4色アイシャドウパレットを使っても素敵なアイメイクができるかもしれません。でもお母様世代は、そのくすみやしみをカバーしてからメイクしたほうがきれいに仕上がるので、別の4色が必要なのです。その一例がコチラ。
①ハイライト or トーンアップカラー
(肌馴染みがいい明るい色)
②メインカラー
(メイクの印象を決める色)
③締め色
(目のフレームを引き締める色)
④仕上げ用のニュアンスカラー
(ラメやパール入り)
娘さん世代向けは、4色すべてが②のメインカラーで構成されているものも多く、今回お母様が使っていたのもコレ。でも実は、お母様世代にとって一番大事なのは、①のハイライトカラー。年齢を重ねるとまぶたもくすんでくるので、明るい色でトーンを上げる必要があるのです。さらに③の締め色でメリハリをつけることで、目がパッチリ見えます。
ちなみに④のニュアンスカラーは、大きなラメや強いパールのものだと、ギャルになったり宇宙人に見えたりするので、大人世代はキラキラが控えめなニュアンスカラーを選んでくださいね。ほんのり艶を足すくらいのイメージです。
4色アイシャドウパレットの
使い方レッスン
次に、4色をそれぞれどのように使えばいいか、ごくごくシンプルな方法をお伝えしますね。
①
ハイライトorトーンアップカラー
(肌馴染みがいい明るい色)
まず上まぶたと下まぶたに、パレットの中で一番明るい色を薄~くつけて目元を明るくし、ベースをつくります。
②メインカラー
(メイクの印象を決める色)
上まぶたのまつ毛のキワから上に向けて、メインカラーを放射線状にのせます。ときどき目を開けて確認しながら、下から上に自然なグラデーションになるようにしましょう。次に下まぶたのまつ毛のキワに、目尻から2/3くらいまで細めに入れます。細めにね。
③締め色
(目のフレームを引き締める色)
パレットの中で一番濃い色を、上まぶたのまつ毛のキワに入れて、メインカラーと馴染ませながらグラデーションをつけます。これで目のフレームが強調されて目力がアップ。下まぶたの目尻にも少~しだけ入れます。上まぶたと下まぶたに同じようにグラデーションをつくると、上下分断せずに繋がりができて、目を大きく見せることができますよ。
このとき、下まぶたの色が濃すぎると、キョンシーになったり顔が下がって見えたりするので、つける範囲や濃淡には注意してくださいね。ちなみに目や鼻などのパーツが中心に寄ったお顔の場合は、目尻から2/3くらいまでに上まぶたのまつ毛のキワにつけ、目尻側を少し膨らませてグラデーションをつけるとバランスがとれます。
④ラメやパールが入った
ニュアンスカラー
指の腹で薄~く薄~く取り、手の甲やティッシュで馴染ませてから、上まぶたの中央にふわりとのせます。上品な華やかさが出るので大人世代にもおすすめです。ただし、コットンやリネンなどマットな質感の服だと、顔だけキラキラして見えてしまうこともあるので、服とのバランスには気をつけましょうね。
このシンプルなアイメイクに慣れてきたら、クリームタイプのハイライトや、失敗すると厄介な(!)リキッドアイライナーなどに挑戦すると楽しいと思います。
と、ここまでレクチャーしたところで感想をうかがうと……
「アイシャドウの色を変えるだけで、ここまで目の印象がハッキリするんですね! 目元がすっきりして立体感が出たからか、顔色も明るくなったみたい。やっぱり私たち世代が似合うメイクって、若い子のメイクとは違うんですね」と腑に落ちたご様子。
人によって似合うメイクは違うことや、自分に必要な情報をきちんと選び取る大切さを学んでいただいたことで、これから選ぶアイテムや方法が変わってきそうですね。「メイクが好き、上達したい」という気持ちは忘れずに、お母様、日々トライ&エラーですよ!
illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ
Profile
藤岡ちせ
ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_
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